【タイ】中部ナコーン・パトム県の王室寺院「ワット・ライキン」で住職を務める有名僧侶「プラ・タンマ・ワチラーヌワット」が、オンライン賭博のために寺院の資金3億バーツ(13億円相当)を使い込んでいた疑惑が浮上し、警察が5月15日に任意同行を求めた。一部メディアは逮捕と報じているが、逮捕には還俗が必要で、15日時点で還俗したとは報じられていない。
タイ警察犯罪制圧課(CSD)は過去8カ月、寺院資金の不審な動きを追い続け、プラ・タンマ・ワチラーヌワット僧による横領にたどり着いたという。容疑の詳細は明らかにされていないが、オンライン賭博で深刻な依存症に陥っていたもよう。警察はすでに起訴の方向で動いているという。
プラ・タンマ・ワチラーヌワット僧は1955年6月27日生まれで現在59歳。12歳で沙弥となり、21歳で出家した。12歳から常にワット・ライキンで修業を積み、2008年に住職となった。パーリ語に堪能で、タイ仏教界で重要な役職に就き、タイ王室のシリントーン王女や複数の国立大学などから数々の賞を受賞している。タイのメディアは今回の事件について「国民がショックを受けている」と報じ、同僧の詳細な履歴を紹介している。
ワット・ライキンも王室寺院として有名。ラマ4世治世の1851年に創建されたとされるが、1791年には民間寺院として存在していたとも伝えられる。寺院名は「ライ=畑」「キン=ショウガ」という意味で、一帯にはかつて中華系コミュニティが造られ、ショウガを栽培していたという。