【タイ】世界中からの日本人経営者や幹部が集うセミナー、懇親会、交流会などの大型イベント「WAOJE GLOBAL VENTURE FORUM 2023」が2月10、11日、バンコク都内の会議場、クイーンシリキットコンベンションセンター(QNSCC)で開催された。主催者のWAOJE(World Association of Overseas Japanese Entrepreneurs)の発表でおよそ400人が参加。コロナ禍明け間もないことから200~300人程度が見込まれていたが、大きく上回る結果となった。
イベントのメインは10日の三浦瑠麗さん(国際政治学者、シンクタンク、株式会社山猫総合研究所代表)と11日の本田圭佑さん(サッカー選手、サッカー指導者、実業家)のそれぞれの講演。三浦さんは「日本のソフトパワーとこれからの改革」と題した講演で、ソフトパワーに関する調査を2014年より続けていると話し、例えば日本はアニメといった分野でソフトパワーを誇示すべきという意見を述べた。また、日本人の対中と中国人の対日といった双方向からの認識とその因子、先進国としての日本と米国の総人口の推移の比較といった、独自取材を含めたさまざまな統計結果を解説。各国の生産的政府支出やEBPM(証拠に基づく政策立案)の実情、昨今のコロナ情勢や五輪開催に関するメディア報道によって日本国民が受けたバイアスなどにも触れた。そして、「日本から海外への方向性を常に重視して積極的な進出を継続し、みなさんのように海外で幅広く活動し、日本が世界に何を提供できるのかという目線を持ちながら自己評価を高めていくべき」と締めくくった。
本田さんは11日の「サッカー×教育者×経営者×投資家×本田圭佑が語るグローバルビジネスの未来」と題した講演で、「より大きな目標を持ち、それに向けたより良い習慣を身に付けること。目標を達成するための方法を見いだせないと思いがちだが、実は誰もがすでに知っているもの」という考えを披露した。ビッグマウスという自己評価の言葉に触れ、「(ビッグマウスとして口にする)目標は大きければ大きいほど、達成に向けた習慣の改善も本気で取り組むことになる」とし、「自分は常に挑戦者であり続ける。すでに得たスキルのさらなるアップといった挑戦よりはむしろ、常に新しい目標を目指す挑戦をしていきたい。最初の一歩の大変さは、子供であっても名声を得た実力者であっても変わらない」と述べた。
今回の大会について主催者からは、「4年ぶりの開催で予想以上の多くの方々にお越しいただき、ただ『嬉しい』の一言」(大会実行委員長の小田原靖さん)、「コロナ禍が明けて世界中から再び、素晴らしい方々に集っていただけた」(バンコク支部長の阿部俊之さん)といった声が聞かれた。