【タイ】タイの私立病院、サミティベート病院グループは産業医科大学(北九州市)と医療従事者の交換研修で提携する。2月9日、梨田和也駐タイ日本大使立ち会いのもと、協定に調印した。
サミティベート病院グループの健康診断センターや産業医学センター所属の医療者が産業医科大学で研修し、日本の産業医学を習得する。第1弾として、今年5月末にサミティベート病院スクムビット(バンコク)およびサミティベート病院シラチャー(東部チョンブリ県シラチャー)の医師2人、看護師2人が産業医科大学で2週間研修する。タイ東部臨海地域の産業集積化と高度化に対応し、職場の安全確保、社員の健康維持、健康増進の取り組みを病院として具体的に促進する。
梨田大使は「日本の産業医療は1938年の工場法の工場医から発展した。日本企業や多国籍企業につとめる従業員の健康増進の一翼をサミティベートが担っていくことを期待する」と述べた。また、「この3年間の未曾有(みぞう)のパンデミックをタイで過ごした邦人に新型コロナウイルス感染症治療やコロナワクチンの接種促進を提供し」「タイの医療体制や感染状況について得難い情報を日本語で頻繁に発信した」として、サミティベート病院に謝意を示した。
サミティベート病院は1979年設立。サミティベート病院スクムビットは日本人患者が年間延べ13万人、1日約400人受診する。2019年6月に地上7階の新棟(日本人医療センター)をオープンした。サミティベート病院シラチャーは年間延べ2万4000人、1日約70人が受診。日本語通訳10人を擁し、近隣県在住の日本人患者のサービスに注力している。