【タイ】政府は、宅配便事業者に営業許可の取得を義務付ける新たな郵便事業法の制定を進めている。既存事業者や新規参入企業のほか、電子商取引(EC)プラットフォームが設立した配送子会社も対象とする。
ブンヤティダー・ソムチャイ副デジタル経済社会相によると、タイ資本の宅配便事業者2~3社が深刻な経営難に直面しており、政府がEC市場における過度な価格競争や不公正な競争環境を問題視している。「現在、荷物取扱量の大半がTikTok ShopなどのECプラットフォーム経由となっている」とし、事業者の選択は可能であるものの、実際には料金の安さが重視されるため、「資金力で劣る地場事業者は競争上、不利な立場に置かれている」と説明した。
タイ郵便も多くの利用者を抱える一方、コスト面の制約が足かせとなっているという。「プラットフォーム上で配送手段として選択されない場合、取扱量や収益の拡大機会を失う」と指摘した。従来の窓口や集荷による取扱量は、ECプラットフォーム経由の荷物量を大きく下回るのが現状。
政府は、ECプラットフォームが配送子会社を設立し、自社で配送業務を受注したうえでほかの配送会社に再委託し、その過程で手数料を上乗せする仕組みも問題視。こうしたグループ企業への優遇が競争をゆがめる可能性があるとし、不当な扱いを防ぐためのルール整備を検討している。
ブンヤティダー副相は、事業者間で一定の最低基準を設ける必要性を強調する一方、配送料金を一律化する考えはないとも説明。通常配送や当日配送などサービス内容が異なり、事業コストにも差があるためとした。不公正な競争行為に該当する可能性がある事案については、競争委員会による審査の対象になる可能性がある。
また、外国資本規制についても検討。地場資本51%、外資49%の出資比率を一案として示している。宅配便事業をタイ資本に限定する考えはないとしたうえで、他業種と同様の出資規制の導入を検討すべきだとの考えを示した。
外資が入る企業については、株主構成や資金の出所を調査する必要もあり、30億~40億バーツ規模の投資資金を提供している人物や主要株主の実態を確認すべきだとした。タイ人を利用した名義貸し(ノミニー)の有無についても調査対象とする。
同法案は今後、デジタル経済社会省の法務担当部門による審査と関係者からの意見聴取を経たうえで、閣議に提出される見通し。


























