【タイ】政府は11月1日に施行するオンライン広告の本人確認制度「No ID, No Ads」について、国内外の広告主を対象とし、法令で定める条件を満たす全てのソーシャルメディア・プラットフォームに適用すると改めて強調した。制度の目的はオンライン犯罪から国民を守ることで、プラットフォーム事業者に過度な負担を課すものではないとしている。
ラリダー・プルートウィワタナー政府副報道官によると、デジタル経済社会省が所管する同制度では、プラットフォーム事業者に利用者の安全確保への責任を求める一方、本人確認の方法については各社が自社システムに適した手法を選択できる。ただ、法令で定められた基準を満たす必要がある。
制度はタイ国内の広告主だけでなく、対象プラットフォームを通じてタイ国内向けに広告を配信する海外の広告主にも適用される。プラットフォーム側は既存の本人確認システムや外国政府発行の身分証明書を利用して確認を行うことができ、広告主が本人確認のためにタイへ渡航する必要はない。
同制度はMetaに限定されるものではなく、TikTokを含む適用対象の全てのソーシャルメディア・プラットフォーム事業者に適用される。政府は各事業者と継続的に連携し、制度の円滑な運用と公平な適用を進める方針だ。
制度施行後は、本人確認を完了した広告アカウントの割合に加え、詐欺広告に関する通報件数やその増減、問題のある広告への対応速度、被害発生時の追跡可能性などを検証し、制度の効果を評価する。政府は確認済みアカウント数そのものではなく、詐欺被害の抑制や利用者保護の成果を重視するとしている。
プラットフォーム事業者が法令で定められた措置を実施せず、その結果としてサイバー犯罪による被害が発生した場合、法令の定めに基づき共同責任を問われる可能性がある。ただ、責任の有無は個別の事実関係や法的基準に基づいて判断され、自動的に責任を負うわけではないとしている。
詐欺広告による被害を受けた場合や不審な広告を見つけた場合は、広告画面のスクリーンショット、広告のリンク、広告主アカウント名、やり取りの記録、送金記録などを保存し、金融機関への連絡や警察への届け出を速やかに行うよう呼び掛けている。関係当局は法令に基づき、捜査のためにプラットフォームから情報提供を受けることができる。


























