【タイ】政府が少額輸入品に対する関税および付加価値税(VAT)の免除措置を廃止した後も、中国製を中心とする低価格輸入品の流入に歯止めがかかっていない。タイの大手商業銀行カシコン銀行傘下のカシコン・リサーチセンター(Kリサーチ)は、2026年の低額輸入品の輸入額が前年比18%増の445億バーツ(2000億円相当)に達すると予測している。
少額輸入品への関税徴収制度は、今年1月に実施された。中国をはじめとする海外から流入する安価な製品と国内製品との価格差を縮小し、中小企業の競争環境を改善するとともに税収増につなげるのが狙いだった。しかし、低額輸入品は相変わらずの増加傾向にあり、2021~2025年の輸入額の平均伸び率は年22%に達しているという。
背景には、中国製品の圧倒的な価格競争力がある。低額輸入品市場に占める中国製品の割合は46%に達する。ファッション関連商品では、関税やVATが課された後でも、中国製品とタイ製品の価格差がなお2倍以上残るケースがあるという。低額輸入品の内訳では、衣料品や繊維製品などの消費財が過半を占める。ほか、かばん、収納用品、スポーツ用品などの工業製品や農産加工品も多く輸入されている。
消費財全体の輸入額も増加が続く見通し。2026年は前年比4%超増の1兆3700億バーツに達すると予測される。1~8月の輸入額も前年同期比4.2%増となり、中国製の低価格品の流入は依然として高水準で推移している。
影響は国内製造業にも及んでいる。工業省の製造業生産指数(MPI)によると、1~8月の生産量は衣料品、履物、家具で前年同期比2~13%減少した。特に価格競争力で不利な中小メーカーは、中国製品との競争激化による影響を受けやすい状況にある。
●タイで少額輸入品への関税、今年度は大幅増収に 原産地偽装対策も強化



























