バンコク洪水、中国人旅行者減少の懸念 当初見込みの5~10%減か

【タイ】タイ政府観光庁(TAT)は、バンコクで発生した洪水の影響により、国慶節の大型連休(9月25日~10月7日の13日間)の中国からの旅行者数が当初見込みを下回る可能性があるとの見方を示した。中国・成都のTAT事務所は、最も可能性の高いシナリオとして、中国西部からの訪問客数が目標を5~10%下回ると予測している。

 ターパニー・キアットパイブーンTAT総裁によると、バンコクでは72時間足らずで累積降雨量が300~330ミリに達し、50区全域が災害地域に指定された。洪水によって5万2000世帯以上が被災し、4900人が避難所に移った。

 冠水した道路や水没車両の映像は、ロイター、AP、AFP、CNBC、スカイニュース、アルジャジーラなどの国際メディアで広く報じられた。中国では、微信(WeChat)、微博(Weibo)、小紅書(RED)、抖音(Douyin)、今日頭条、百度新聞などの主要SNSやニュースプラットフォームを通じて拡散した。

 スワンナプーム空港やドーンムアン空港を含む国際交通インフラは、多少の不手際はあるものの通常通り稼働しており、空域閉鎖や大規模な欠航は発生していない。ただ、ホテルと空港間の移動については、渋滞の影響を考慮して通常よさらにり2~3時間余裕を持つよう呼びかけられている。南部プーケット、クラビー、サムイ島、北部チェンマイ、チェンラーイなどの主要観光地は洪水の直接的な影響を受けていない。

 タイは2026年の中秋節と国慶節の連休期間について、中国人旅行者数25万人、観光収益115億バーツ(530億円相当)を見込んでいた。「Amazing Thailand Mid-Autumn(Nihao Month)2026」(ニーハオ月間)」キャンペーンを打つなど、例年通りの中国市場に一途な姿勢がみられた。

 TAT成都事務所は今後の見通しとして3つのシナリオを提示。最も可能性が高いケース(確率60%)では、9月30日までに洪水が沈静化した場合、西部中国からの訪問客数は目標比5~10%減にとどまる。最良のケース(同20%)では、天候回復や排水作業の進展がSNSで広く伝われば、減少幅は5%程度に抑えられる見通し。一方、9月29~30日に再び大雨が発生し、浸水が長期化する最悪のケース(同15~20%)では、西部中国からの訪問客数が目標を15~20%下回る可能性があるとしている。

 観光地別では、国際メディアによる報道の中心となったバンコクが最も大きな影響を受けると予想される。東部パタヤと中部フアヒンも、バンコクとの交通網の影響から一定の影響を受ける見込み。一方、チェンマイとチェンラーイは影響が小さく、バンコクを避ける旅行者の受け皿となる可能性がある。プーケット、クラビー、サムイ島についても、洪水の直接被害を受けていないことから、影響は限定的とみられる。
●タイ観光業、中国市場に「一途」 国慶節で25万人の来タイ期待 ニーハオ月間強化
●来タイ中国人、今年は510万人の見込み 訪日中国人を上回る期待

バンコク都内の中華系旅行者 写真:newsclip

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