【タイ】タイ証券取引所(SET)上場の不動産大手センシリ(Sansiri)は、高級住宅市場で一部の開発業者が2~3割の値引きを行う中、価格合戦に加わらず長期的な資産価値の維持を重視する方針を示した。タイでは住宅市場のほぼ全セグメントで競争が激化しており、高級住宅では5000万バーツ(2億3000万円相当)の物件が3900万バーツ前後で販売されるなど、大幅な値下げ競争が繰り広げられている。
センシリは、「高級層では資産価値の上昇、設計品質、アフターサービス、開発会社のブランド力を重視している」と説明。「価格ではなく価値で競争する。値下げを続ければ市場は『底値競争』に陥るだけ」とした。「8000万バーツの住宅なら、5年後には8500万~9000万バーツの価値があるべき」と語っている。
こうした戦略により、厳しい市場環境でも同社の高級住宅ブランド「Narasiri」シリーズは堅調な販売を維持しているという。特に、バンコク東寄りに開発した価格帯5000万バーツの高級プロジェクト「Narinsiri Krungthep Kreetha」はほぼ完売状態で、現在のタイ経済の環境を踏まえると「予想外の結果だった」としている。購入者の多くは既存顧客で、より大きな住宅への住み替え需要が中心だったという。
センシリによると、「プレミアムな顧客層は短期的な販促価格よりも、デザイン性、居住性、長期的な管理品質を比較し、将来の転売価値を重視する」傾向が強まっている。住宅市場全体は経済の不透明感や開発コストの上昇で依然として圧力が続くものの、同社は今後も値下げに頼らず、商品差別化と持続可能な価格設定を軸に事業を進めていく。



























