タイの外食業界、ソンクラーン商戦に暗雲 物価高で消費減速懸念

【タイ】タイ・レストラン協会によると、4月11日から15日にかけてのソンクラーン(タイ正月)連休中、外食産業は前年ほどのにぎわいを期待できない見通しだ。中東情勢の緊迫化に伴う物価上昇が家計を圧迫し、消費者の購買力が低下しているためで、同協会は「食費は真っ先に削られやすい支出だ」としている。

 今年のソンクラーンは、国内旅行に出かける人は一定数見込まれるものの、外食先は価格を抑えた店を選ぶ傾向が強まるとみられる。外食の回数を減らしたり、従来利用していたレストランからフードコートやコンビニに切り替えたりする動きも想定されるという。

 有名観光地では、購買力の高い外国人旅行者が国内客の減少を補う構図が続く見込みだ。タイ政府観光庁(TAT)は、ソンクラーン期間中の国内外旅行者による消費額が300億バーツ(1500億円相当)に達し、前年比で6%増えると予測している。ただ、地元客への依存度が高い地域の飲食店では、有名観光地と比べて売り上げの落ち込みが大きくなる可能性があるという。

 原材料費の高騰も経営を圧迫している。燃料価格の上昇を背景に、食用パーム油の小売価格は1リットルあたり40バーツから50バーツ超へと急騰した。資金に余裕のある中規模以上の店舗では、値上がり前に食材や包装資材を確保し、コスト調整によってメニュー価格を維持する余地があるが、小規模店は日々の価格変動の影響を受けやすい。資金繰りに行き詰まり、借り入れや高利貸しに頼らざるを得ない事業者が出ることも懸念されている。

 同協会は、消費喚起策として政府による「コン・ラ・クルン(1人半分)プラス」制度の再開を強く求めている。利用者の購入代金を政府が半分補助する仕組みで、原材料費高騰で利益率が低下する中、飲食店の売り上げと収入の下支えにつながるとしている。

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バンコクのレストラン街で知られるバンタット・トーン通り 写真:newsclip

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