カーボンクレジット創出のグリーンカーボン、タイで稲作の排出削減実証を報告

【タイ】ネイチャーベースのカーボンクレジット創出・販売事業を手がけるグリーンカーボン(本社:東京都港区)は、タイで実施した稲作における間断灌漑(AWD)の実証プロジェクトの成果をまとめた報告書「AWD Project Report: Thailand 2025」を公開した。

 同社は、タイ国内の複数地域で現地農家や大学と連携し、水田の水管理方法を見直すAWDの実証を行った。水位管理用パイプの設置や農家向けの技術指導を行い、チャンバーを用いてメタン排出量を直接測定したほか、収量や品質、コストに関するデータ収集、農家への聞き取り調査を実施した。

 その結果、AWDを導入した区画ではメタン排出量が平均で約49%削減され、削減量は1作期あたり1ヘクタール当たり2.97トンの二酸化炭素換算量(tCO₂e)となった。収量については、多くの区画で増加が確認され、最大で40%を超える増収事例もあったという。25ライ(約4ヘクタール)の水田を保有する農家の一例では、前年と比べて収入が約130%増加し、1作期当たり約10万バーツ(約3,200米ドル)の増収となった。

 農家へのアンケート調査では、参加した農家の全員がAWDの継続を希望し、水使用量の削減や収量の改善、環境負荷低減への評価が示されたとしている。

 実証を行った背景には、タイが世界有数の米生産・輸出国であり、農業部門が国内温室効果ガス排出量の約18%を占め、そのうち稲作由来の排出が約半分を占めるとされている点がある。加えて、日・タイ二国間クレジット制度(JCM)や、パリ協定第6条に基づく国際クレジット移転の枠組みなど、排出削減量を国際的に活用する制度整備が進んでいることも、実証の実施につながった。

 グリーンカーボンは今後、タイ全土で一律に導入するのではなく、プロジェクト単位で段階的に拡大する方針を示している。1プロジェクト当たり最大5万ヘクタール規模での展開を想定し、1ヘクタール当たり年間約5トンの二酸化炭素削減量を見込み、2030年までに1プロジェクト当たり累計約100万トンの削減を目指すとしている。国際クレジット制度の条件に応じて、事業規模の拡張も検討する。

レポートダウンロード:https://green-carbon.co.jp/awdthai/

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