【タイ・日本】タイ商務省は、スパジー・スタムパン商務相が1月14日に大鷹正人在タイ日本国大使館特命全権大使と会談したと発表した。日タイ両国が「包括的戦略的パートナー」として、経済、貿易、投資分野での協力関係を一段と深めていく方針を確認したという。
スパジー商務相は、日本企業に対し、デジタル、人工知能(AI)、半導体、次世代自動車など将来産業への投資拡大を呼びかけると共に、日タイ経済連携協定(JTEPA)の早期見直しと内容の刷新を提案した。会談では、タイ側が日本に対し、コメや加工鶏肉、缶詰水産物など高品質なタイ産農産物・食品の輸入拡大を要請した。特にコメについては、友好関係の象徴として輸入増を検討するよう求めた。また、日本の総合商社と連携し、日本国内や第三国市場の流通網を活用してタイ製品の販路拡大を図る考えも伝えた。
投資面では、日本が長年にわたりタイ最大の投資国であり、6000社もの日系企業が進出している現状を踏まえ、日本企業やスタートアップに対し、次世代産業分野での投資や技術交流の促進に期待を寄せた。対象分野として、デジタル・AI、先端半導体、次世代車、フードテック、クリーンエネルギー、バイオテクノロジー、ヘルスサイエンスなどを挙げ、熱帯地域に適した水素エネルギーの研究開発分野への投資にも言及した。
商務省によると、JTEPAは2007年に発効し、今年で19年目を迎える。日本向け輸出では、対象品目の約8割で同協定の関税優遇措置が活用されているという。タイ側は、現在および将来の経済環境に対応するため、協定内容を見直して市場開放をさらに進めることで、貿易・投資の拡大につなげたい考えだ。
ほか、両国は貿易救済措置に関する協力強化でも一致し、調査手続きに関する知見や経験の共有を進める方針を確認したもよう。タイ側は、不公正な輸入による影響を受ける投資家を保護する観点から、自動車・自動車部品分野を中心に、日本企業向けの研修実施にも前向きな姿勢をアピールした。
また、2027年に日タイ外交関係樹立140周年を迎えることにも触れ、両国関係が幅広い分野で緊密であると指摘。タイの伝統織物と日本の着物を融合させた「タイ・キモノ・プロジェクト」を協力事例として紹介し、環境配慮型のものづくりを通じた新たな商品開発や貿易協力の可能性に期待を示した。
貿易統計によると、2024年の日本は中国、米国に次ぐタイ第3位の貿易相手国で、貿易総額は520億米ドルだった。2025年1~11月の貿易総額は488億米ドルで、タイの主な対日輸出品は自動車・部品、加工鶏肉、機械類、電気製品、化学品など。日本からの輸入は機械類、鉄鋼製品、電気機器、自動車部品、プリント基板などが中心となっている。
写真:タイ商務省フェイスブックより























