【タイ】タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は、政府が推進してきた「国境特別経済開発区」について、2015年から2025年までの10年間に集まった投資額が552億バーツ(2800億円相当)にとどまったと明らかにした。インフラ整備はおよそ9割まで進んでいるものの、民間投資の勢いは当初の期待を下回っているという。
政府は2015年、国境地域の経済活性化と周辺諸国との貿易・投資の連携強化を目的に、国境特別経済開発区の整備を開始した。しかし最新の統計では、投資の伸びは想定ほど活発ではない状況が浮き彫りとなっている。
NESDCによると、2025年9月時点で東部サケーオ、トラート、西部カーンチャナーブリー、北部ターク、チェンラーイ、東北部ノーンカーイ、ナコーン・パノム、ムクダーハーン、南部ソンクラー、ナラーティワートの各県10地域に設けられた国境特区への投資額は、2015~2025年の累計で民間投資と工業団地開発を合わせて551億9800万バーツだった。このうち、投資委員会(BOI)の奨励を受けて実現した事業は92件で、実行投資額は264億7196万バーツにとどまった。投資額が多かった地域は、ソンクラーの19件92億7335万バーツ、サケーオの11件84億300万バーツ、タークの34件34億3056万バーツ、ムクダーハーンの5件20億9550万バーツ、ノーンカーイの5件20億146万バーツなど。
外資企業によるBOI奨励申請は45件の総額57億7500万バーツに達し、日本、日タイ合弁、韓国、中国、中タイ合弁、台湾、ミャンマー、マレーシア、シンガポール、インド、オランダ、オーストラリアなどからの投資が中心だった。業種別では、衣料、プラスチック、飼料、自動車関連、機械・部品、建材、病院、ゴム手袋などの医療用品などに投資が集中している。
カーンチャナーブリー、トラート、ナコーン・パノムの各特区にある財務省管轄地への民間投資は51億602万バーツ、サケーオとソンクラーの工業団地への投資は57億3121万バーツ。関税関連の優遇措置を活用した事業も13件あり、投資額は5億1000万バーツに上った。
インフラ面では、交通、国境検問所、公共インフラ、工業団地など151事業が進められ、平均進捗率は9割に達している。サケーオ、トラート、ターク、ソンクラーなどの主要地域では多くの事業が完成し、順次供用が始まっているが、公共投資の規模に見合うペースで民間投資が拡大しているとは言い難いのが実情だという。























