【タイ】タイ商務省は、2026年のタイからのコメ輸出量について、今年の見込み800万トンから700万トンまで減少する見通しを示した。タイバーツの4年以上ぶりの高値水準を理由としている。
バーツはマレーシア・リンギットに次ぎ、地域で2番目に上昇率の高い通貨となり、対ドル相場は今年に入って10.5%上昇した。商務省国際通商局(DFT)は、バーツが輸出市場での競合国の通貨より10~20%高い水準にあると指摘した上で、「バーツ高がこのまま続けば、タイの農産物にとって大きな課題になる」と危機感を示した。
2026年は、中国向けに50万トン、シンガポール向けに今後5年間で最大10万トンといった契約は履行される見通し。しかし、世界最大の輸出国インドの潤沢な供給量と低価格を背景に、タイはさらなる厳しい競争を強いられるとみられる。
今年2025年のコメ輸出量は、年末需要の強さに支えられて目標の750万トンを上回る788万~800万トンに達する見込み。ただ、2024年実績の1000万トン規模には遠く及ばなかった。



















