【タイ】米カリフォルニア州に本社を置く医療グループ「SBCメディカルグループホールディングス」は、バンコクを拠点とする日系企業「BLEZ ASIA Co., Ltd.」とコンサルティング契約を結び、タイの美容医療市場に参入する。SBCは国内外で250を超えるクリニックを展開し、年間来院者数は600万人を超える大手。今回の提携は、2024年に開始したシンガポール事業に続くアジア戦略の一環となるという。
契約に基づき、SBCはBLEZ社が新たに開設するシミ治療を中心としたクリニックに対し、診療プロトコルの整備や医療機器の選定など経営支援を行う。クリニックはバンコク都心部アソーク界隈で年内の開業を予定している。在タイ日本人駐在員層を対象に信頼を獲得し、その後は現地顧客、さらにアセアン諸国へと利用を広げる計画だ。
背景には、拡大を続けるタイの美容医療市場がある。同社が収集した推計によれば、同市場は2024年時点で約3億7224万米ドル規模、2033年には11億1841万米ドルに達すると見込まれている。年間平均成長率が13%を超えるとされ、医療ツーリズムの拠点として国際的な地位を高めている。
一方で、およそ6万人の日本人駐在員が暮らすにもかかわらず、日本水準の美容医療を安定して提供する施設は少なく、「小規模クリニックの乱立による品質のばらつきが課題」と、同社はみている。
BLEZ社は2012年設立。23店舗の薬局やクリニック事業を展開し、来院者数は薬局で年間10万人、クリニックで同1200人にのぼる。医薬品輸入販売やオンライン診療など事業基盤も広く、SBCの進出を支える役割を担う。
両社はまず、日本人駐在員層を起点に事業基盤を築き、継続的に高水準の医療サービスを提供することで、タイ市場への浸透を図る方針。SBCは「日本発の医療サービスを現地に根付かせ、新たな価値を生むモデルを構築したい」としている。
BLEZ ASIA Co.,Ltd.
https://blez-web.com
SBC Medical Group Holdings Incorporated
https://sbc-holdings.com/jp




















