バンコクの高級マンション市場、香港、シンガポール、ドバイに迫る勢い

【タイ】不動産コンサルタント会社コリアーズ・タイランドの情報としてタイのメディアが報じるところによると、バンコクで高級マンション市場が急拡大している。世界的な不動産開発会社が相次いで超高級物件を開発し、価格水準やデザインの質は香港、シンガポール、ドバイに肩を並べる水準に達しつつある。

 世界の主要都市が建築やデザインを通じて生活水準の向上を競うなか、バンコクは東南アジアにおける高級不動産の新たな拠点として台頭している。超富裕層を中心とした需要は世界経済の逆風にもかかわらず堅調で、これまで戸建て中心だった高級市場の主役はマンションへと移りつつある。

 コリアーズ・タイランドの調査によると、過去10年間で1平米当たり30万バーツ(140万円相当)以上の超高級マンションが計6625戸供給され、総開発額は2050億バーツを超えた。コロナ禍の影響で2019~2023年は停滞したが、2024年には958戸が新規供給され、2205年末から2026年にかけてさらに1000戸超の開発が予定されている。

タイで初めて1平米当たり100万バーツに達する物件も登場した。ポルシェ・デザイン・タワー・バンコクでは1戸14億バーツ超の住戸もあり、単なる居住空間を超え、地位やライフスタイルを示す象徴としての性格を強めている。

中心部のウィッタユ(ワイヤレス)通り、チットロム界隈、スクムビット通り、トーンロー通り、サートーン通りといったエリアは依然として人気が高く、億バーツ単位の新規プロジェクトが相次ぐ。ウィッタユ通りでは土地価格が1平方ワー(4平米)当たり400万バーツを超える例も出ている。チャオプラヤー川沿いでは、マンダリン・オリエンタルやバンヤンツリーの高級レジデンスが注目を集め、静けさと独自性を求める層に支持されている。さらに、エーカマイ通り、ラマ4世通り、オンヌット界隈など東部の新興エリアも投資家の関心を集めている。

コリアーズ・タイランドは、観光都市として知られてきたバンコクは今や、アジアの高級不動産市場の一角を占める存在に変貌しつつあると分析。香港にはザ・ピーク、シンガポールにはマリーナベイがあるように、バンコクも独自のランドマークを築き上げているという。

写真:newsclip

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