【タイ】タイ首相府のサシガーン・ワッタナチャン副報道官は9月3日、中小企業の中古ピックアップトラック購入を支援するための、タイ政府の新たな融資保証制度を発表した。保証業務は中小企業信用保証公社(TCG)が担い、商用車を事業用に購入する中小企業の資金調達を後押しする。
同制度は、今年4月に開始された新車購入支援策の拡張版で、今回は中古車市場にも対象を広げた。初期段階では保証枠1000億バーツのうち500億バーツを運用し、農業従事者や小規模物流業者など、収入が不安定な事業者でも融資を受けやすくする狙いがある。
政府はこの施策により、約7600社の中小企業が中古ピックアップトラックの購入資金を確保できると見込んでおり、融資総額は34億バーツ超、雇用維持効果は15万3000人超、経済波及効果は140億バーツ超と試算している。
現在、タイの中古ピックアップトラック市場はおよそ170億バーツ(3万8000台)だが、近年は価格下落と差し押さえ件数の急増により、金融機関の融資姿勢が慎重になっていた。TCGは保証制度を通じて金融機関のリスクを軽減し、融資の活性化を図る。
保証制度の特徴として、初年度から3年間は保証料が無料となり、政府と財務省が負担する。4年目以降は年1.5%の保証料が課されるが、政府が示した例によれば、融資残高30万バーツの場合、保証料は年間4500バーツにとどまる。保証期間は最大7年(84回払い)で、保証上限額は1件あたり80万バーツ。申請受付は2025年12月30日まで。
登録は、LINE公式アカウント「@tcgfirst」で可能。無料の財務診断や融資相談も受け付けている。詳細はTCGコールセンター「02-890-9999」で確認できる。