「開腹なし、跡がほとんど残らない大腸がん手術」大腸がん予防と最新治療法セミナー@バムルンラード病院その2

Dr. Navara Dusitanond
ナワラー・ドゥシターノン医師
Surgery – Colorectal Surgery 外科・大腸肛門外科
Surgery – General Surgery 外科・一般外科

バムルンラード病院消化器科オープンハウス「Colon Care Open House」大腸がん予防と最新治療法セミナー!~健康的な腸活を始めよう!~より

大腸がん手術について説明するナワラー医師

内科と外科の連携によるがん診断

 がんという病気は、今日は何もなく、明日になると急にかかる、というものではない。まずはポリープなどの異常な細胞が発生し、徐々に変化していって悪性の腫瘍(しゅよう)に成長するというプロセスを経る。がん治療は早期発見と迅速な細胞切除が必須で、腫瘍がリンパ腺に達するステージ3~4以前に有効な手段を講じなければならない。

 例えば大腸がんの場合、大腸カメラ(大腸内視鏡)で検査して疑わしい細胞(ポリープ)を切除し、それを細胞検査士が顕微鏡で分析して、腫瘍性か非腫瘍性かを診断する。腫瘍マーカー(CEA)を活用し、器官の位置によってCT、PET-CT、MRIなどを使い分けながら、画像診断を行ってステージを見極める。いずれも、内科と外科の連携だ。

跡がほとんど残らない手術

 一概に大腸がんといっても主体の大腸なのか、肛門に近い直腸なのかによって診断や手術の方法は異なる。大腸の場合はとにかく手術をするというのが一般的。しかしこれが直腸になると、迅速に手術をする場合もあれば、科学治療や放射線治療などを施した後に手術、という方法も多く採られる。

 一昔前までは、ばっさり開腹するしか方法がなかった。しかし最新の医療技術では、腹部を1センチほど切開して、内視鏡や先端に剪刃(せんとう)や鉗子(かんし)などを装着した器具を挿入し、もしくはロボットを駆使し、いずれも体内で施術するといった方法が確立されている。もちろん腹部にほとんど跡が残らない。広く切開する事例もあるが、たいていは5~6センチにとどまる。

 従来の開腹手術と最新の内視鏡・ロボット手術の差は大きい。大腸がん治療というのは術後、全体の半数が科学治療に移行していく。開腹手術では移行までに6~8週間の時間を要するが、内視鏡・ロボット手術では半分の3~4週間で済む。体がより早く回復し、治療にかかる時間も短縮できる。

 ロボットによる手術では、平面画像ではなく3Dで患部を確認することができる。今後さらに進化していくと見込まれている。当院ではすでに、内視鏡およびロボットによる手術が全体の90%を占めている。残りは合併症など複雑な症状に対する特殊な手術だ。

患者にとって最善の方法を選択できるタイでの手術

 日本の方々であれば、がん治療にかかわらず重い病気にかかってしまった場合、日本に帰国して手術を受けたり療養したりすることが多いと想像する。自国に戻って治療を、との思いは当然で、特に日本は医療技術が優れ、あらゆる面で安心だ。日本は大腸がんをはじめとする各種がんの治療で世界をリードしており、タイは免疫療法を一般的とせず、光免疫療法も導入段階にない。

 タイで手術を受ける上での最大のメリットは、「患者にとって最善の方法を選択できる」点にある。非常に簡単な説明ではあるが、直腸がん手術で一例を挙げると、先のようにタイでは放射線を照射した後に切除手術を行う。日本や米国のガイドラインでは放射線を使わずにより広めに切除を行う。切除部分が多くなる分、体に負担がかかると、タイでは判断されている。

 タイは複数国のガイドラインを参考にしており、どれか一つに縛られることはなく、あくまでも患者に最善な方法を探る。手術に関して、医師が患者に提案することもあれば、患者が医師に希望を述べることもある。

 今回は手術について説明させていただいたが、がんにかからないことに越したことはない。がんには予防や早期発見が難しい種類があるが、大腸がんは幸いにもそれが可能だ。手術に至ることがないよう、予防や早期発見に努めていただきたい。

同時通訳する川口研太氏(ビジネス開発部)

ほとんど残らない手術跡

各種手術器具

手術光景

 

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