〈タイ業界事情〉AI機能を利用した生産計画立案の手法は会計業務にも応用は可能なのか BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.

難波 孝次 氏 Managing Director

AI機能を利用した生産計画立案の手法は会計業務にも応用は可能なのか

 前回はAI機能の応用例としまして購入した板材をどのようにカッティングすればより端材を残さないまま効率の良い材料消費がおこなえるかという話をさせていただきまして、それで今回も先ずはその続きと言うことで、深夜の時間帯におこなわれるシミュレート作業について更に詳しく説明させていただければと考えております。

 それで前回説明させていただきましたのは、深夜の時間帯にあらかじめ部品を切り出す様々なパターンをシミュレートしておけば、いざ切り出し工程の計画を作成する際にはその切り出しパターンを当てはめていけば、より短時間で切り出し工程の立案が可能になるというところまででした。ただそれだけですと部品切り出しのパターンは数多くあるとは言ってもいずれは全ての組合せを網羅してしまう訳で、そこまで行けばあとは深夜にやることが無くなってしまいます。

 そこで、せっかくAI機能を駆使するのですからもう少し効率を上げる為のシミュレート作業を推し進めてみることにします。具体的には部品の必要数量についてで、各種部品の使用量は完成品ごとに異なる訳ですから常に一定の割合で必要になるということはないのですが、それでも長期間続けていくうちに幾つかのパターンが出て来ることは考えられます。例えば昨年の1月と今月の1月とで完成品の需要が倍増していたとしますと、単純に昨年の部品を切り出す組み合わせをそのままに切り出す板材の数量を倍増してやれば良いということになります。ということで前回のシミュレート作業では1枚の板材から各種部品をどのように組み合わせれば端材が少なくて済むのかというパターンの学習のみでしたが、次の段階では完成品の数量を元にして例えば完成品Aを100個、完成品Bを100個、完成品Cを100個作成する際にそれぞれどのような組み合わせで部品を切り出せばより効率の良い作業が行えるかを、今までの生産実績を元に学習させておきます。この形であれば実際の計画立案時に都度部品の必要数量を調べてそれぞれ切り出しパターンを一つずつ当てはめていくよりは、はるかに短時間で最適解を求めることが可能となります。

 ということでここでようやく表題の内容に入っていく訳ですが、前回の説明時に販売管理や会計システムは基本的に実績データの管理なのでAI機能を駆使するのが難しいという話をさせていただいておいたにも関わらず、今回はAI機能を利用した会計システムの機能改善についての説明をさせていただこうかと考えております。

 と言いますのが先日お客様と話をさせていただいた際に、取引先さんからの書類をどのようにシステムに取り込むのかという話題になりまして、これが得意先さんからの受注データであれば昨今では得意先さんの方でEDIシステムを持たれているケースがほとんどですので、同システムからダウンロード(若しくはメール送信)された電子データを社内のシステムにアップロードすることにより、手作業を大幅に軽減することが出来ます。また仕入先さんからのインボイスデータについては、こちらももちろんEDIシステムのデータをアップロードすることも可能ですが、そういったデータが無くとも元になる発注データは既に社内システムに入っておりますので、関連する発注データを選択していくことで自動的にデータを作成することが可能になります。

 これらの主要な取引データに対して、では経費関係の書類はどのようにすれば良いかという話になりまして、どういうことかと言いますとそのお客様の場合社員さんの出張が多くその出張の際に発生する経費関連の書類は当然ながらEDIデータとしては流れてきませんので、月末の精算処理にいつも時間がかかっており中々月締め処理がおこなえないという問題があるとのことでした。

 そこで提案させていただいたのが、以前にもこの欄で少し話をさせていただいた方法で、経費関係の書類をスマートフォン若しくはタブレット等の背面カメラで撮影することにより画像データとしてシステムに取り込む手法となります。以前はEDIデータがあればこのやり方はそれほど主流にならないのではと考えていたのですが、確かに今回のケースのように経費書類であれば上手く運用すればかなり作業効率をアップできるのではないかということに気付きました。

 もちろん画像データとして取り込んだだけでは、それを眺めるだけで終わってしまいますのでここからがAIの腕の見せ所となりまして、先ずは取り込んだ画像データを元にしてOCR機能を使用してテキストデータを取り出します。テキストデータの中には自社の会社名や会社住所等様々な内容が格納されているかと思いますが会計システム上で必要な項目は相手先の会社名、書類番号、日付及び金額となります。ただEDIデータのように各項目毎にきっちり分けられている訳ではなく、データとしては書類上のテキスト文字がずらずらと並んでいるだけですので、ここからAI機能を駆使して必要項目のみをピックアップしていくという作業となります。

 この必要項目を取り出す作業については、基本的には以前説明させていただいた弊社のANY EDI SYSTEM(取引先から送られてきたEDIデータが如何なるフォーマットであってAIが自動的に各項目を判別してシステムデータに取り込む機能)の手法と同様になりまして、テキストデータの中から先ずは日付項目を探し当てます。色々な手法はあるのですが代表的な方法としましては2桁(若しくは1桁)と4桁の数値が何らかの記号(スラッシュやハイフン等)で区切られている文字列が見つかれば、それらの数値を判断して年月日に該当するデータのみを切り取っていきます。次に今度は金額項目を検索する為に数値とコンマやピリオドが並んでいる文字列を探し出しそのピリオドの位置等から金額項目を切り出します。

 後は相手先と領収書番号等の書類番号についてなのですが、これらについては実は一筋縄ではいきません。何故なら主要な取引先であれば仕入先マスター等に登録されている名称と照らし合わせてみることが出来ますが、出張経費となりますとガソリン代やら宿泊費とかですので、それらの相手先を逐一マスター化しているケースはあまり無いかと思います。そこでAIが自力で会社名を探し出す訳ですが、何しろ世の中に存在する会社名は星の数ほどありますので、何れのテキスト文字がそれに該当するのかを探し当てることは如何にAIとはいえ至難の業となります。

 ではどうすれば良いのかと言いますと、先ずは今までに作成された経費伝票をベースとして同じような文字列が存在していないかどうかをチェックします。この方法でも全く新しい宿泊先に泊まったようなケースであれば検索することは出来ないのですが、ガソリンスタンドにしろ宿泊先にしろ以前と同じところを何度も利用するケースは多いので、かなりの確率で探し当てることが出来るのではないでしょうか。あと書類番号についても同じような形で、前述の方法で相手先が判明しましたらこちらも同じように以前に作成された同じ相手先の経費伝票にある書類番号を見て、同じようなフォーマット(例えば年月に連番4桁が付いているような形式)の文字列を探し出してシステムに格納します。

 上記のような方法で画像ファイルから読み込んだテキストデータの塊より必要項目の抽出をおこなった後は、これらの項目の内容を元にして会計伝票を作成する作業となります。それで会計伝票の肝となります勘定科目をどのように決定するかなのですが、これも以前に作成された経費伝票を元にいたしまして、同じ相手先の伝票であれば例えばガソリンスタンドならガソリン代、ホテルであれば宿泊費、レストランであれば交際接待費といった形である程度は決まってきますので、この勘定科目についても以前の伝票をそのまま踏襲する形で経費伝票が自動で作成されます。

 この経費資料の撮影自体は出張者さんが出張先やご自宅でおこなっていただくことも可能で、もしVPN等でお手持ちのスマートフォンやタブレットPCから社内システムに接続することが出来るのであれば、そのままシステムにデータをアップロードすることも出来ますし、システム接続が不可の環境でも画像データをメールやラインで会計担当者さんに送って、会計担当者さんがその画像をシステムにアップロードすることも可能です。それでシステム内にアップロードされた経費伝票データを、マネージャーさんが元になった領収書等の画像ファイルと照らし合わせて確認をおこない、問題が無ければ画面上で承認をおこなうことにより正式な会計システムの伝票として登録されるという流れとなります。

 また上記のような出張経費のみでなく毎月発生するオフィスのレンタル費用や電話代、電気代、インターネットの費用等についても基本的には同じですので、これらの領収書などの書類を撮影するだけで会計伝票が自動で作成され、あと同伝票の元になった書類の画像ファイルを紐付けていつでも閲覧できるようにすることも出来ます。

 ということで今回は経費書類をカメラで撮影すればそれがそのまま会計伝票になってしまうというAIならではの便利機能を説明させていただきましたが、次回も同じような形でAI技術を利用した最新の機能を説明させていただければと考えております。

手作業での経費書類の処理についての問題点

システムオンライン環境での経費書類アップロード概要

システムオフライン環境での経費書類アップロード概要

画像ファイルから会計伝票を作成する手順1

画像ファイルから会計伝票を作成する手順2

BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
住所:333 Lao Peng Nguan Tower 1, 17th Floor, Unit B1, SoiChaypuang,
Viphavadi-Rangsit Road, Chomphol, Chatuchak, Bangkok 10900
電話:0-2618-8310-1 ファクス:0-2618-8312 Eメール:toki@ksc.th.com
ウェブサイト:www.bkktoki.com

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