タイ首相指名選挙は18、19日か タクシン元首相が帰国延期 

【タイ】ワンムハマッドノー・マター下院議長兼国会議長(79)は5日、上下両院合同会議での2回目の首相指名選挙を今月18、19日に行う考えを明らかにした。

 当初は4日を予定していたが、7月13日に上下両院合同会議で行われた1回目の首相指名選挙で過半数獲得に失敗した下院(定数500)第1党ガウクライ党(ムーブフォワード党)のピター・リムジャルーンラット党首(42)が上下両院合同会議での採決で再度首相指名選挙に出ることが禁じられたことを違憲だとしてオンブズマンが憲法裁判所に訴え、これを受理するかどうかの憲法裁の判断が遅れているため。

 ガウクライ党は5月14日に行われた議会下院(定数500)総選挙で151議席(比例代表の得票率36.2%)を獲得して第1党となり、141議席(比例代表の得票率27.7%)で第2党となったタクシン元首相派プアタイ党など民主派7党と下院で過半数の312議席を確保し、ピター党首を擁立して首相指名選挙に臨んだ。しかし、国王批判に重罰を科す不敬罪の改正廃止、徴兵制の廃止などを掲げるガウクライ党に、プラユット軍事政権(2014~2019年)が議員を選任した非民選の上院(定数250)、下院の旧与党陣営といった王党派が反発し、ピター党首の得票は324票にとどまり、首相選出に必要な376票にとどかなかった。

 ピター党首は7月19日に予定されていた2回目の首相指名選挙に再挑戦する意向だったが、19日の上下両院合同会議で、王党派陣営が、一事不再議の原則に基づき、ピター党首が再度首相候補となることは認められないと主張。投票の結果、この主張が賛成多数で可決された。

 事態の膠着を受け、プアタイ党は今月2日、ガウクライ党との連立政権樹立を断念し、自党所属でタイ証券取引所(SET)上場の不動産デベロッパー、センシリの前最高経営責任者(CEO)のセーター・タウィーシン氏(60)を首相候補として、ガウクライ党を含まない新たな連立の枠組みを模索すると発表。旧与党陣営との連立交渉に乗り出した。

 一方、プアタイ党の実質的な党首とされるタクシン・チナワット元首相(74)は5日、短文投稿サイト「X(旧ツイッター)」への投稿で、10日に予定していたタイ帰国を、健康診断のため、最長で2週間延期すると明かした。タクシン氏は2006年の軍事クーデターで追放され、2008年から国外亡命生活を送っている。2008年以降に汚職などで有罪判決を受け、刑期は計10年となっている。帰国すれば即収監となるが、プアタイ党はタクシン氏の宿敵である王党派と連立政権を樹立して、タクシン氏の刑期短縮を図るとみられている。

 

ワンムハマッドノー国会議長(写真提供、タイ国会事務局)

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