タイ民主派党首の首相就任とん挫 寝返りかチキンレースか 

【タイ】タイの公共放送タイPBSなどによると、タイ国会は19日の上下両院合同会議で、13日の首相指名選挙で過半数を得られず首相指名を逃した革新系民主派のガウクライ党(ムーブフォワード党)のピター・リムジャルーンラット党首(42)が同日予定されていた2度目の首相指名選挙で候補となることを認めない決定を下した。

 王党派議員が、一事不再議の原則に基づき、ピター氏が候補となることは認められないと主張。数時間にわたる討議の後、投票が行われ、ガウクライ党とタクシン元首相派のプアタイ党を中心とする民主派8党の下院(定数500)議員ら312議員が反対票、旧与党陣営の下院議員とプラユット軍事政権(2014~2019年)が議員を選任した非民選で王党派の議会上院(定数250)の395議員が賛成票を投じた。

 これにより、今国会でピター氏が首相に就任することは不可能になった。

 一部の上院議員と旧与党陣営の下院議員は投票後、国会議事堂前のガウクライ党支持派のデモを避けるため、議事堂裏のチャオプラヤ川の桟橋からボートで立ち去った。

 タイ憲法裁判所は同日、ピター氏が国会議員がメディア会社の株式を所有することを禁じる憲法規定に違反したとするタイ選挙委員会の訴えを受理し、判決を出すまでの間、ピター氏の下院議員資格を停止した。違反と認定された場合、ピター氏は下院議員を失職する。

 憲法裁の命令を議場で受け取ったピター氏は、「タイは5月14日で変わり、二度と同じではない。国民が道のりの半分を勝った」と短いスピーチをして、拍手を浴びながら議場を去った。

 5月14日に行われた下院総選挙では、ガウクライ党が151議席(比例代表の得票率36.2%)を獲得して第1党に、プアタイ党が141議席(比例代表の得票率27.7%)で第2党になった。この2党に小政党6党を加えた民主派陣営は下院で過半数の312議席を確保した。しかし、国王批判に重罰を科す不敬罪の改正廃止、徴兵制の廃止などを掲げるガウクライ党に対し、王党派の上院と下院の旧与党陣営は強く反発。上院も投票する首相指名選挙では376票が必要だが、民主派陣営は王党派陣営を切り崩せず、事態打開の糸口は見えていない。

 民主派8党は27日に行われる予定の3回目の首相指名選挙に、プアタイ党所属でタイ証券取引所(SET)上場の不動産デベロッパー、センシリの前最高経営責任者(CEO)のセーター・タウィーシン氏(60)を擁立する見通しだ。ただ、旧与党陣営のプームジャイタイ党(下院議席数71、比例代表の得票率2.9%)のアヌティン・チャーンウィーラクーン党首(副首相兼保健相)は19日、ガウクライ党と同じ陣営には入らないと明言した。これが上院を含む王党派の総意とすると、セーター氏の首相就任も困難となる。プアタイ党は今後、ガウクライ党を捨てて旧与党陣営と連立を組むか、ガウクライ党とともに王党派との着地点が見通せないチキンレースに突入するかを迫られる見通しだ。

ガウクライ党のピター党首(前列左)とプアタイ党のチョンラナン党首(右)(写真提供、プアタイ党)

プアタイのセーター氏(写真提供、プアタイ党)

 

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