タイ下院選で勝利の民主派陣営、首相選出ならず 非民選の上院が反対

【タイ】13日、タイ国会の上下両院合同会議で、5月14日の下院(定数500)総選挙を受けた首相指名選挙が行われた。

 下院選で151議席(比例代表の得票率36.2%)を獲得して第1党となった革新系民主派のガウクライ党(ムーブフォワード党)のピター・リムジャルーンラット党首(42)が民主派8党の統一候補として擁立されたが、得票数は324票にとどまり、首相選出に必要な376票にとどかなかった。

 プラユット軍事政権(2014~2019年)が議員を選任した非民選で王党派の議会上院(定数250)から賛成票を投じたのが13議員にとどまった。下院では旧与党陣営が反対に回った。

 対立候補はなかった。

 ガウクライ党は国王批判に重罰を科す不敬罪の改正廃止、徴兵制の廃止などを掲げ、王党派と正面から対立している。首相指名選挙前の意見表明では、上院、旧与党陣営から、不敬罪改正に強く反対する意見が相次いだ。

 国会は19日に再度、首相指名選挙を行う予定。

 ガウクライ党とピター党首は司法の場でも劣勢に立たされている。首相指名選挙前日の12日、ガウクライ党が掲げる不敬罪の改正廃止が憲法違反に当たるとした王党派弁護士の訴えをタイ憲法裁判所が受理した。同日、メディア会社の株式を国会議員が所有することを禁じる憲法規定にピター党首が違反したとして、タイ選挙委員会が憲法裁に告発した。この2つのケースで、憲法裁がガウクライ党に解党処分を下し、ピター党首ら党役員の参政権を停止する可能性があるとみられている。

 上院の反対で、ピター党首の首相選出が見通せない中、民主派陣営が、下院選で141議席(比例代表の得票率27.7%)を獲得したタクシン元首相派プアタイ党から首相候補を擁立する可能性が取り沙汰されている。有力視されるのは、同党所属でタイ証券取引所(SET)上場の不動産デベロッパー、センシリ前最高経営責任者(CEO)のセーター・タウィーシン氏(60)。プアタイ党は不敬罪改正を主張しておらず、旧与党陣営には過去にタクシン派政党に所属していた議員が多い。プアタイ党が前面に立つことで、旧与党陣営、上院と手打ちを図るというシナリオだ。

ピター党首(写真提供、Move Forward Party)

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