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タイで生産管理システム導入のコツ④ 在庫精度を向上させるには?
- 2023/2/9
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さて前回・前々回にわたって最初に導入するのはシンプルなシステム・在庫管理、そして大切なのはそのの在庫精度を確保する事という事を書かせて頂きました。ではその在庫精度を向上させるにはどうすれば良いのでしょう?
1.導入前の各部門の目標
2.指示を分ける
3.相互監視や担当
4.循環棚卸
1.導入前の各部門の目標
第1回目のコラム『失敗しないための事前準備』の中で『2.目標の策定』というお話を書かせて頂きました。これは漠然と生産管理システム導入では目標が明確にならない場合があるので各部門問題点を認識した上で部門ごとに目標を具体的に定めるという事でした。では生産管理システムを導入すると現場にどんなメリットがあるのでしょう?
①急な工程変更が少なくなる
部材に納期遅れがあっても事前に把握可能で、当日の変更といった事がなくなる。また発注漏れなども防げる。
②納期遅れの防止
急な変更が少なくなり計画通りの生産が可能になれば納期遅れの防止につながります。
③その他の効果
不良品情報の解析が可能になったり、前工程に問題があっても事前に把握できる、部材や製品の標準在庫策定や生産計画の策定などにより工程負荷の平準化が可能になるなど。上記のメリットを得るために大切なのが生産報告のタイムリーな入力という事になります。ですから事前に生産管理システム導入が現場にもたらすメリットを各現場に十分に理解頂いた上で導入に協力頂き『生産報告のタイムリーな入力』を目標の一つにして頂く事が良いと考えます。
2.指示を分ける
たとえば大きな6万個注文があり1つの工程で3日間同じ作業をするとします。製造指示が1枚であれば3日後製造終了時に1つの入力をすることになります。その過程は不明で、1枚の指示書に対して入力漏れがあれば6万個分の在庫が宙に浮くことになります。これを日次指示にすれば1回の入力分が2万個分になりかつ日勤・夜勤で分ければ1回の入力が1万個になります。そうすれば若干入力は増えますが多少は製造過程の進捗が把握出来ることになりますし、仮に1つの入力忘れがあっても不明な在庫は1万個になります。
更に細かくする為には、製造ロット毎や通い箱毎にバーコードを貼付する事が効果的です。例えば1つの通い箱が20個入りならば20個毎に製造報告が上がってきますので製造情報を組め細かく管理できます。また入力には通常ハンディーターミナルを使用しますので入力の手間も少なく確実な在庫情報の更新が可能です。
3.相互監視や担当
生産管理システムの入力には生産報告以外に在庫移動があります。倉庫から部材を払い出したり、次工程に中間品を運んだりといった作業です。その方法は端末入力だったり、ハンディーターミナルだったり、場合によっては受払票への記入だったりします。ではどうすれば入力精度が上がるでしょう?
①入力場所を考える
倉庫で棚の間で入力したり、工程の後ろの中間仕掛置き場での入力してませんか? ほんの少し入力場所を動かしてみましょう。倉庫なら他の従業員から良く見える出入り口とか工程間移動なら途中の通路に入力場所を設けるとか、部材や製品を持ってその場所を素通りしにくい環境を作りましょう。
②担当者を置く
大きな倉庫で頻繁に出し入れがある場合は専任を置くのも良いと思います。
③入力場所にCCDカメラを設置する
性悪説のようにも思いますが、状況によっては高い効果があります。
4.循環棚卸
工場を挙げて努力を重ねても結果が伴わなければモチベーションがあがりません。そこで倉庫内の部材をABC分析し良く動く・単価の高い部品を日に数点選んで循環棚卸を実施するのも良いと思います。特に倉庫に専任者がいて時間が取れるようだとお勧めします。
他にも工夫次第で色々な方法があると思います。私がお話を聞いたお客様ではバーコードスキャナーにシャチハタのハンコを取り付けてスキャンと同時にハンコが押される仕組みを考えた工場がありました。払い出し票にハンコが押されていない(スキャンしていない)部材は受け取り禁止という運用です。大型の製品倉庫でRFRDタグを活用したお客様もありました。
今回は私が体験した幾つかの方法を書かせて頂きました。もちろんアイディアによって方法は無限だと思います。
次回タイで生産管理システム導入のコツは『業者選定のポイントは?』についてお話させて頂きます。
バックナンバー
タイで生産管理システム導入のコツ(1)失敗しないための事前準備
タイで生産管理システム導入のコツ(2)日本と同じ仕組みで良いですか?
タイで生産管理システム導入のコツ(3) どのモジュールから導入するか?
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筆者:西本栄次
Material Automation(Thailand)Co.,Ltd.
SI4 Div Manager
日本での大型計算機販売の後
96年5月から在タイ
タイでは主に生産管理システムの販売・
サポートを中心に活動
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