私立病院に出生証明オンライン提出義務化 タイ国籍の不正取得防止へ

【タイ】政府は、出生に関する書類を利用した不正なタイ国籍取得を防ぐため、全国の私立医療機関に対し、出生証明書(様式トー・ロー1/1=ท.ร.1/1)の電子提出を義務付ける。12月1日から実施し、偽造書類の作成や不正利用の防止を図る。

 ラリダー・プルートウィワタナー政府副報道官は11月7日、内務省と保健省が共同で制度を導入すると発表した。全国400カ所以上の私立医療機関は、これまでの紙媒体に代えて、内務省地方自治振興局(DOPA)の電子システムを通じて出生証明書を提出することになる。これによって、情報の正確性と透明性を高め、過去のデータの追跡や検証を可能にする。

 保健省健康サービス支援局は、私立医療機関から指定された提出担当者の登録・管理を担当し、地方行政局は電子システムの運用を担う。政府は、全国で統一した手続きの導入によって書類偽造の余地を減らすとともに、出生情報の不正利用防止につなげる。また、DOPA、健康サービス支援局、国家医療保障事務局など関係機関の連携を強化し、データ共有と審査体制の充実を進める。

 ラリダー副報道官は、「医療機関が発行する出生証明書は出生日時、出生場所、分娩方法などの事実を証明するものであり、タイ国籍を認定するものではない」と強調。「電子システムへの登録が出生届の手続き完了を意味するわけではなく、保護者などの法定届出義務者は引き続き規定に従って出生届を提出する必要がある」と説明した。

 外国人の母親とタイ人の父親の間に生まれた子どもの場合も、医療機関は事実に基づいて出生情報を証明するのみで、家族に代わって出生届の手続きを行うことはない。父子関係に疑義がある場合には、登録担当官の審査資料として、政府認定機関によるDNA鑑定を勧めることがあるが、すべての子どもや国際結婚家庭にDNA検査を義務付けるものではないとしている。
●タイの出生登録疑義、2012年以降1万件超に 下院委員会が調査強化を要請
●外国人によるタイ国籍不正取得が横行、国家汚職防止委員会が手口公開
●タイでの子どもの国籍取得、父母が外国人の場合は本人出頭義務

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