【タイ】政府は、現行のホテル法を廃止して宿泊施設全般を対象とする新たな「宿泊施設法案」を策定する方針を明らかにした。ホームステイやホステル、ブティックホテル、ツリーハウス、テント宿泊施設のほか、民泊やコンドミニアムの短期賃貸など、シェアリングエコノミー型の宿泊施設を制度の対象に取り込んでいく。
事業規模やリスクに応じた監督体制に移行し、複数の許認可手続きを一本化する「スーパーライセンス」制度を導入、利用者保護を強化する。ホテルや恒久的建築物を前提とした現行法では多様化する宿泊形態に対応できず、小規模事業者が同一基準の適用を受けることで制度の枠外に置かれている状況を改善する。
法案は全98条で構成され、「宿泊施設」を対象として規模、業態、客室数、宿泊者数、リスク水準に応じた監督制度を導入する。宿泊施設は3区分に分類される。
第1種は届出のみで営業できる施設で、客室8室以下かつ宿泊者30人以下のホテルや、8戸以下の住宅・客室を提供する短期賃貸施設が対象。第2種は事前登録が必要で、客室数9~40室または宿泊者31~150人のホテル、9~40戸の短期賃貸施設が該当する。第3種は事前の営業許可取得を義務付ける施設で、客室数40室超または宿泊者150人超のホテル、40戸超の短期賃貸施設が対象となる。内務相は状況に応じて対象施設の種類や形態を省令で追加できる。
法案の柱の一つが「スーパーライセンス」制度の導入。第3種宿泊施設の営業許可を主たる許可と位置付け、申請時に希望すれば、飲食業、ウェルネス施設、プール、スポーツ施設、娯楽施設、液化石油ガス関連事業、酒類販売、たばこ販売など最大10種類の関連許可を包括的に取得できるようにする。事業者が複数の行政機関に個別申請する負担を軽減することが狙い。
内務省地方自治振興局が電子システムを整備し、届出、登録申請、許可発給、苦情受付などの手続きをオンライン化する。宿泊事業者には施設名標識、避難経路図、非常口表示の設置を義務付けるほか、宿泊者名簿を電子化し、24時間ごとに登録当局に送信することを求める。外国人宿泊者の情報はタイ警察入国管理局に共有される。
利用者保護も強化される。宿泊施設や関連サービスが広告・宣伝内容と異なる場合、利用者は宿泊や予約を取り消すことができ、事業者は利用済みサービス分を除き、相応額を返金しなければならない。宿泊料金、利用条件、広告内容、販売促進活動で示した内容は契約の一部と見なされる。



























