タイの美容クリニックで「腹筋ライン形成」 広告表示と料金の差異 政府が実態調査へ

【タイ】政府は、腹部の脂肪吸引で「腹筋ライン(11ライン)」を作る施術を受けた消費者から、広告と異なる料金を請求されたとの苦情を受け、美容クリニックの実態調査に乗り出した。一部ですでに、広告で示された価格と実際の支払額が一致していない事例が確認されており、首相府相が消費者保護局(OCPB)に対して関連機関と連携して調査を進めるよう指示した。

 タイでは男女を問わず、腹部の中央に縦に2本のラインが入った状態を、数字の「11」に見えることから「11ライン」と呼ぶ。脂肪吸引などの美容施術でこの縦ラインを強調する手法が広まり、SNS広告でも一般的な表現となっている。

 スパマート・イサラパクディ首相府相は、SNS広告で「腹部の脂肪吸引・腹筋ライン形成」の施術を3万3999バーツと表示していたクリニックが、手術当日に追加費用を請求して総額7万バーツを払わせた上、仕上がりも広告と異なっていたとの苦情が寄せられたと説明。「広告では安価に見せかけ、実際には倍以上を請求するような行為は、消費者をサービス開始前から不利な立場に置いている」と指摘した。

 OCPBはクリニックの関係者への事情聴取を進めており、該当の被害者に対しても保健省健康サービス支援局や医師会と連携し、包括的な支援を開始した。スパマート首相府相は、「結果を保証しない旨を記した同意書への署名を求めるなど、消費者の権利行使を妨げる不当な契約条件がある場合は、OCPBが法に基づき厳正に調査する」と強調した。

 美容サービス業に対してはすでに、施術内容、費用、支払い条件、利用者によるキャンセルや変更の権利、施術医師の氏名と免許番号など、重要事項の事前の明示が義務付けられている。広告と異なる請求や不当な条件を強いられた場合は、OCPBのホットライン「1166」、アプリや公式サイトの「OCPB Connect」、またはFDAホットライン「1556」への通報が可能。

スパマート首相府相 写真:タイ首相府

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