【タイ】スワンナプーム、ドーンムアン、ウタパオの3空港を結ぶ高速鉄道計画の事業契約について、タイ政府は「官民連携(PPP)契約を終了する方針を決めた」との報道を否定した。一部のメディアが、契約終了の決定や(事業を受託したCPグループ主導の)アジア・エラ・ワン社による契約破棄の要請などを報じていた。
シリポン・アンカサクンキアット副運輸相は7月15日、契約終了はあくまで複数の選択肢の一つに過ぎず、「複数案が今後、東部経済回廊政策委員会(EECPC)に提出される」とし、政府として最終判断は下していないと説明した。建設費や財務見通しの変化を踏まえ、バンコクとEECを結ぶ交通インフラをどのように完成させるのが最適か、改めて評価する必要があるとしている。
判断にあたっては、国家予算、投資価値、費用対効果、PPPの構造などを総合的に検討する必要があるとし、高速鉄道計画を現行のまま進める案や、いわゆる「ミッシングリンク」区間を含むバンコク都市鉄道網の整備案など、複数の代替案を委員会に提示する方針を示した。
ミッシングリンクとして位置付けられるのは、レッドラインのバーンスー~パヤータイ、マッカサン~フアマーク、バーンスー~フアランポーンの各区間で、総延長25.9キロ、投資額44億6000万バーツ(220億円相当)とされる。これらを整備することで、バンコク都市鉄道網の接続性を補完する狙いがある。
PPP契約を終了した場合の影響については、「契約違反の有無や終了事由を慎重に精査する必要があり、どちらの当事者が義務を履行できなかったのかを判断しなければならない」と述べた。政府側はかつて予定どおりに全ての建設用地を引き渡せなかったという失敗を犯しており、その遅延に対応するため覚書(MOU)を締結した。
一方、民間側(アジア・エラ・ワン)にも債務返済などの財務上の課題があり、追加の合意で対応してきたと説明した。こうした経緯から、「契約違反の責任は双方に生じ得る」とし、補償の有無は各当事者が履行できなかった具体的な義務に基づいて判断されると述べた。
法務を担当するパコーン・ニラプラパン副首相は、案件は未だタイ国鉄(SRT)が検討中で、「運輸省の法務審査段階には至っていない」と説明。契約終了が法的に可能かどうかを判断するには、契約内容と詳細条項を精査する必要があり、「現時点で結論を示すのは時期尚早」だとした。
東部経済回廊事務局(EECO)は以前より、同問題は8月にも契約管理委員会と東部経済回廊政策委員会(EECPC)に付託されると説明している。民間側が最終的に撤退を決めた場合、PPP方式の契約は終了となり、その後に国鉄との協議が行われるとしている。事業継続に向けた「代替案」も準備されていると伝えられる。
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