タイ北部の玄関口とされるピッサヌローク(ピサヌローク)。スコータイ王朝(1238~1448年)時の1357年、西のビルマからの脅威を受け、スコータイからピッサヌロークに遷都された。後のアユッタヤー(アユタヤ)王朝(1350~1767年)では、ビルマを迎え撃つ北の要衝として栄えた。
市内に建つ寺院「ワット・プラシー・ラッタナ・マハータート(通称ワット・ヤイ、大きな寺という意味)」の本尊は、スコータイの第6代王リータイ王の命によって造られた、タイで最も美しいとされる「チンナラート仏」。現ラッタナーコーシン王朝を築いたラマ1世がバンコクへの請来(しょうらい)を試みたが、地元の人々の悲しみを案じて思い留まったという逸話が伝えられる。後にバンコクでは、日本人旅行者も多く参拝するワット・ベーンチャマボピット(大理石寺院)の本尊に代表されるように、チナラート仏を模した仏像が造られた。
タイのほとんどの仏教寺院が東向きに建つのに対し、ワット・ヤイは西を向く。日本でいう春分や秋分の時期は堂内に夕日が差し込む。
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人口: 84万7,000人(2021年、内務省地方自治振興局)
面積:1万800平方キロメートル(エネルギー省)
距離:バンコクから377キロ(タイ道路協会)
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