タイとベトナム、包括的・戦略的パートナーシップに格上げ 国交樹立50周年でトー・ラム国家主席が公式訪問

【タイ・ベトナム】ベトナムのトー・ラム国家主席(兼ベトナム共産党書記長)が5月28日、国交樹立50周年を記念してタイを公式訪問し、アヌティン・チャーンウィーラクーン首相に迎えられた。両者は、包括的・戦略的パートナーシップに格上げすることで合意し、経済、科学技術、教育、航空産業に関する4件の協力文書に署名した。

 交換された文書は、1)タイ・ベトナム包括的戦略的パートナーシップ行動計画(2026〜31年)、2)両国機関による科学技術・イノベーション協力、3)東部経済回廊事務局(EECO)とベトジェットグループによる東部ウタパオ空港での航空機整備(MRO)センター設置に向けた可能性の調査、4)ベトナム国家行政学院とタイ東北部コーンケーン大学の学術協力――の4件。

 式典後、両国は「Growing Together(共に成長する)」をテーマにした国交50周年記念ロゴを発表し、半世紀にわたる友好と共同発展を象徴すると説明した。アヌティン首相は、今回のトー・ラム国家主席の訪問が長期的な協力を具体化する重要な機会だと述べ、両国が引き続き強い経済成長力を示している点を強調した。

 安全保障分野では、越境犯罪対策、特にオンライン詐欺、違法漁業、相手国領域を利用した政治活動の防止で協力を強化することで一致した。経済面では、世界経済の不確実性に対応するため、官民連携を含む協調の必要性を確認。二国間貿易額については240億米ドルへの拡大を目標に掲げ、アヌティン首相は「十分達成可能だ」と述べた。2025年の年間貿易額は221億米ドル。

 タイ側は、将来産業のサプライチェーン、地域経済、グリーンエネルギー協力を結びつけ、競争力を高める「3 Connect」戦略の推進にも意欲を示した。技術・イノベーション分野では、衛星技術、半導体、農業バイオテクノロジーなどでベトナムと専門知識を共有し、将来産業を支える考えを示した。

 トー・ラム国家主席は、タイの経済発展と地域協力への貢献を評価し、ベトナムがタイとの関係を重視していると強調。アセアン地域の平和・安定・安全保障の強化に向けて協力する姿勢を示した。

 両国はまた、国際法に基づく平和的手段による紛争解決を支持し、特に1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)の原則を尊重することで一致。トー・ラム国家主席は、タイとカンボジアが停戦合意を順守し、協議再開に向け準備を進めている点も評価した。

写真:タイ首相府

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