【タイ】国内のガソリンや軽油の小売価格が3月26日早朝、一斉に1リットルあたり6バーツ引き上げられた。中東情勢の緊迫化による原油高が続く中、政府が燃料価格の抑制策を事実上断念した。
石油燃料基金は25日夜に補助金の削減を発表。新価格が適用される26日午前5時を前に、値上げを避けようとするドライバーが全国のガソリンスタンドに殺到し、深夜から長い行列ができた。
軽油は18%の大幅上昇となり、ほかの燃料も軒並み値上げされた。国営石油会社PTTのガソリンスタンドでは、ディーゼル(軽油)が1リットルあたり38.94バーツ、B7プレミアムディーゼルが同54.64バーツ、ガソホール91が40.68バーツ、ガソホール95が41.05バーツ、E20が36.05バーツ、E85が32.79バーツ、ガソホール95プレミアムが52.04バーツ、無鉛ガソリン95が49.64バーツとなった。
政府は、戦争の影響で押し上げられた国際原油価格に対応するための価格抑制が、もはや維持できない水準に達したと説明。今後は一律の補助ではなく、低所得者層、農家、トラック運転手など影響の大きい層に的を絞った支援に切り替える方針を示した。エークニティ・ニティタンプラパート副首相兼財務相は、価格抑制が市場のゆがみや買いだめを招き、不要な財政損失を生んだと指摘した。
石油燃料基金は引き続き補助を行うものの、水準は大きく引き下げられた。ディーゼルとB20ディーゼルの補助は1リットルあたり26.99バーツから19.12バーツに、E20は同12.85バーツから5.94バーツに、ガソホール91と95は同9.73バーツから3.26バーツに縮小。E85への補助は全廃された。
通常の軽油消費量は1日6500万リットルだが、原油高が進んだ中東での戦争の開始後は8500万~1億リットルに増加している。政府は当初、個人の駆け込み給油が原因と説明していたが、実際には大規模な買いだめが横行し、備蓄は十分とされながらも各地で燃料切れが相次いだ。
価格抑制のため、石油燃料基金はわずか3週間で200億バーツを支出。借り入れによる穴埋めも検討されたが、持続不可能として見送られた。
























