【タイ】バンコクのチャチャート・シッティパン知事は、微小粒子状物質(PM2.5)の発生源を化学成分の分析によって特定する手法を導入した結果、今年に入って深刻な大気汚染となった日数を前年同期比で45~50%削減できたと明らかにした。自動車の排ガスのみならず、バイオマス燃焼が大きな要因であることが分かったという。
チャチャート知事は、廃棄物管理事業「マイ・テー・ルアム(ไม่เทรวม、一緒に捨てない)」をテーマとした講演で、従来の推測に頼る対応を改め、科学的根拠に基づく対策に転換したと説明。都庁は大気中の粉じんを採取して分析機関に送り、汚染が悪化した日の粒子にはカリウムが多く含まれていることを確認した。農業残渣や稲わらの野焼きなどバイオマス燃焼が大きな要因であることを示しているという。
汚染が比較的軽い日には、排ガス由来の硝酸塩が主成分であることが分かり、汚染レベルに応じて原因が変化する実態が浮き彫りとなった。こうした分析結果を踏まえ、都庁は都心部の交通対策に加え、首都圏の農家や関係機関との連携で対策を強化した。
チャチャート都知事は、その成果として基準値を超える「注意」や「警戒」レベルの日数が45~50%減少し、平均的な粉じん濃度も22%低下したと報告。都内の焼却発生地点(火点)が44%、東部ナコーン・ナーヨック県で25%の減少が確認された。都庁が農家に無償で提供した稲わら圧縮機により、焼却せずに資源化し収入につなげられるようにもなったという。
対策は技術面でも進んでおり、都庁は監視カメラと人工知能(AI)を活用した「グリーンリスト」制度を導入。整備状態の良い車両や電気自動車については、粉じんが多い時期でも通行制限を免除している。また、中国の支援を得てリアルタイムで汚染状況を測定できる観測拠点を設置し、流入する汚染物質の発生方向を即時に把握できる体制を整えた。
チャチャート都知事は改善を評価しつつも、「PM2.5は依然として都市の将来を脅かす重大な課題」と述べている。「大気汚染は人材や投資を引き付ける力を弱め、関連する健康被害はすでに30万人に及び、経済損失は30億バーツ(150億円相当)を超えている」とした。
























