タイ労働省、未納賃金回収を強化 雇用主資産の差し押さえ手続きを明確化

【タイ】政府は労働者保護の強化に向け、雇用主が労働者救済基金への拠出金を滞納した場合に備える、資産の差し押さえ、仮差し押さえ、競売に関する手続きを明確化する新たな省令を制定した。制度運用を統一し、労働者の権利を実効的に守る。

 労働省は労働者保護法(1998年)に基づき、雇用主の資産の差し押さえ、仮差し押さえ、競売に付す際の基準や手続きを定めた省令を公布した。手続きの透明性と効率性を高め、全国で同一の基準を適用する。

 省令は3月6日付の官報に掲載され、公布から90日後に施行される。労働者救済基金への拠出義務があるにもかかわらず未納、不足、滞納が生じた場合や、基金が先に労働者へ給付を行った後に雇用主などに求償するケースでの回収手続きに適用される。

 警告の発出から資産調査、差し押さえや仮差し押さえの命令、競売の実施、回収金の基金への充当まで、一連の執行手順を明確に規定した。民事訴訟法や行政手続法との整合性も図られている。

 資産調査に関しては、労働監督官が金融機関、土地局、陸運局、知的財産局など、資産情報を保有する関係機関に照会できる仕組みを整え、債権回収の実効性を高めた。差し押さえや仮差し押さえの対象となる資産についても、動産、不動産、債権、株式や有価証券、知的財産権、賃借権など、経済的価値を有する権利を幅広く明示している。資産が複数地域にまたがる場合や、共有財産や差し押さえに異議が出た場合の対応も定めた。

 公平性の確保にも配慮し、利害関係者や第三者が資産に権利を主張する場合には、所定の手続きにより異議申し立てが可能。調査の結果、差し押さえや仮差し押さえが不適当と判断されれば、解除することもできる。

 競売については、公告方法、期間、場所、保証金、代金の支払い、所有権移転までの流れを体系的に規定し、透明性と検証可能性を確保するとともに、関係者全体の利益保護を図る。

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