【タイ】タイの公共放送タイPBSなどによると、タイ警察は18日、中国人男性(33)をバンコク都内のホテルから誘拐し、身代金393万バーツを脅し取った疑いで、被害者の元交際相手のタイ人女(24)とその交際相手のタイ人男(24)らタイ人の男女6人をバンコクなどで逮捕したと発表した。
14日、容疑者グループの男3人がランスワン通りのホテルの17階客室に押し入り、被害者を縛り上げてプラスチック製の大きな箱に入れて外に連れ出し、中部フワヒンのホテルで監禁した。
15日、被害者に知人の中国人男性にビデオ電話をかけさせ、身代金を要求。知人男性は、被害者が顔にけがをしていたことから、殺害される危険があると判断、警察に通報した後、指定の口座に金を振り込んだ。
警察は16日、犯人グループが被害者の身柄を解放する場所に指定したフワヒンのレストランで張り込み、容疑者の男2人を逮捕、被害者を保護した。その後、共犯の4人をバンコクなどで逮捕した。
容疑者の女は取り調べに対し、「(被害者から)交際中に毎月10万バーツをもらっていたが、現在の交際相手は無職で金がなかったため、犯行を思いついた」「(被害者は)違法ビジネスに関わっていて、警察に通報しないと思った」などと供述した。
被害者は仮想通貨取引をめぐる詐欺の疑いで中国で指名手配されていた。
タイでは最近、在住中国人が身代金目的で誘拐される事件が頻発している。犯人は中国人が多く、被害者が何らかの違法ビジネスに携わり、被害に遭っても警察に通報しないと踏んで犯行に及ぶケースが多い。