タイバーツ相場、外国資金流入で上昇するも不安定 海外要因で変動続く

【タイ】タイの大手商業銀行カシコン銀行傘下のカシコン・リサーチセンター(Kリサーチ)によると、タイの通貨バーツは、国内の前向きな景況感や外国資金の流入を背景に対米ドルで上昇しているものの、海外要因の不確実性が根強く、当面は大きな値動きが続く見通しだ。

 2月8日の下院総選挙後に外国人投資家がタイ株式や債券を買い越したことで資金が流入し、バーツ相場は一時1米ドル=31バーツを下回った。上下を繰り返しながらも対米ドルでやや上昇し、13日には1米ドル=30.93バーツと、約2週間ぶりの高値を付けた。

 選挙後の投資家心理の改善を受け、外国資金が株式や債券市場に流入していることがバーツ高を支えていると指摘する。一方で、国内要因が下支えとなる半面、海外の不透明要因が引き続き相場を揺さぶり、対ドルでの変動を招いているという。

 Kリサーチは、2011年、2019年、2023年、2026年の過去4回の総選挙前後の資金動向を分析。外国人投資家の動きは国内政治への評価を反映してきたと説明している。国内外の金融・経済情勢や、タイ中央銀行(BOT)と米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の方向性も、各時期の投資配分に大きく影響した。

 今回は2月9日から12日にかけて、外国人投資家が株式と債券を合わせて約328億バーツを買い越した。この水準は過去の選挙後と比べても高く、新政権の安定性や政策継続への期待が高まっていることを示しているという。

 市場では、国内での利下げ観測が強まっていることも、債券市場への資金流入を後押しするとの見方が出ている。今後の資金動向は、タイ経済の先行きや投資家心理に左右され、新政権の安定性、財政運営の姿勢、世界の金融市場の動きが重要な判断材料になるという。

 また、財政リスクや格付け機関の評価、特に公的債務の持続可能性に対する懸念が、国の信用リスクの見方に影響する点も注視されている。新興国市場全体への資金流入を左右する要因とし、世界の金融市場の変動も引き続き大きな外部要因となるもよう。

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