【タイ】タイとカンボジアは12月27日午前10時15分、国境地帯で続く軍事衝突をめぐり即時停戦で合意した。同日正午に発効し、最初の72時間は「監視期間」として停戦遵守を見極める。
タイ東部チャンタブリー県の常設国境検問所で開かれた一般国境委員会(GBC)第3回特別会合で、タイのナタポン・ナークパーニット国防相とカンボジアのティア・セイハ国防相が署名した。共同声明は16項目で、停戦合意の履行や国境地帯の平和、安定、安全の確保に向けて双方が取り組む姿勢を確認した。両軍は部隊の移動を現状で凍結し、国境地域の住民を最優先で帰還させる。地雷除去とサイバー犯罪対策で協力し、発効後72時間内に停戦違反がなければ、タイは拘束しているカンボジア兵18人を引き渡す。
ナタポン国防相は、10月にマレーシア・クアラルンプールで取りまとめた両国間の停戦宣言について、カンボジアが主要4項目を全て受け入れたと説明した。また、両国外相が28日と29日に中国・雲南省を訪問、王毅外相と協議する予定とも明らかにした。
アヌティン・チャーンウィーラクーン首相は26日、衝突前の部隊配置に戻ることを前提とした協議の再開を拒否し、今回の戦闘で確保した陣地から「後退しない」と断言していた。タイ軍は作戦に沿って全ての地域で「領土の一体性」を確立したと述べ、軍と政府の目標に沿って事態は進んでいると、国民に訴えた。
今回の合意について、アセアン議長として10月の協議に関わったマレーシアのアンワル・イブラヒム首相は歓迎の意を示し、両国民の利益を最優先として戦闘停止と部隊の現状維持が必要だと指摘した。また、アセアン監視団による検証や国防当局間の直接連絡などの実務的措置が盛り込まれているとし、双方が誠実に履行することに期待を示した。



















