【タイ】タイ運輸省は、地方空港の南部クラビー、東北部ブリーラム、ウドーンターニーの3港について、空港局(DoA)からタイ空港公社(AOT)への運営移管を当面見送ると発表した。移管に伴う時間的な制約や、旅客の費用負担増が懸念されるためとしている。
マンリカー・ジラパンワーニット副運輸相は、現政権の任期が残り4カ月を切っていることから、移管の是非は次期政権に委ねるとした。仮に現時点でAOTの管理下に移した場合、料金体系がAOTの水準に合わせられ、旅客の負担が増す可能性がある。一方で、DoAは3空港を引き続き適切に運営できる能力を有しており、いずれも同局の主要な収益源となっている。
DoAは年間8億〜9億バーツを旅客施設使用料(PSC)として徴収しており、この収入は小規模な地方空港の運営補助に充てられている。2022年8月のプラユット政権時、DoAの運営では限界があるとしてAOTへの移管が閣議承認されたが長い間実行されなかった。2025年3月には、無期延期と報じられた。
DoAは国内28港を運営しており、一部で近代化計画が示されている。自動発券システムや生体認証による搭乗手続き、サービス改善などで、クラビー空港が2028年までにモデル空港として改善される。このような整備には追加のサービス料が必要となるため、利用者数の多い空港を優先。クラビー空港が最初の1港の候補に挙がった。同空港の年間利用者数は200万〜300万人に上る。
南部スラーターニ、ナコーン・シータマラート、トラン、東北部ウボン・ラーチャターニー、コーンケーン、北部ピッサヌロークの各空港も改修済みで、ウドーンターニー空港でも工事が進んでいる。2026年度には滑走路の延長や施設改善も計画され、46億バーツの予算が計上されている。改修後のPSCは、これまでの1人50バーツから75バーツに上がる。
タイ最南部のヤラー県ベートン空港についても、滑走路を現行の1800メートルから2500メートルに延長することによる、エアバスA320、A321neo、ボーイング737などへの対応が模索されている。同空港で離発着が可能なATR型プロペラ機は退役が進んでおり、観光振興、道路網の改善、治安向上も考慮に入れて費用対効果が検討され、年内にも結論が出る見通しだという。




















