タイとベトナム 戦略的関係強化で一致

【タイ・ベトナム】タイとベトナムは10月27日、包括的戦略的パートナーシップを一層強化する方針を確認した。両国外相がマレーシアで開かれた第47回東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に合わせて会談した。

 タイのシハサック・プアンケートケーオ外相とベトナムのレ・ホアイ・チュン外相は、行動計画の実施を加速させ、協力を将来志向のものとし、アセアン全体の目標に沿った形で進めることで一致した。また、経済協力の拡大についても協議。特に再生可能エネルギー分野での連携が焦点となり、タイ企業の間でベトナムの太陽光・風力発電事業への関心が高まりが議題となった。技術革新によりコストが大幅に低下していることが背景にあり、ベトナム側は投資を呼び込むため料金制度の見直しを検討する意向を示したという。

 銀行業務の分野でも協力。ベトナムはタイの銀行に対し、総合金融機関としての営業を認める可能性を示唆した。シハサック外相は「民間投資拡大の鍵になる」と歓迎した。

 地域開発に関しては、シハサック外相が「メコン流域諸国(タイ、ベトナム、ラオス、カンボジア)が主導的役割を果たすべきだ」と指摘。中国、日本、韓国、インドといった域外パートナーの貢献を認めつつも、地域の将来は域内諸国が主導すべきだと強調した。

 また、レ・ホアイ・チュン外相はタイとカンボジアが国境紛争の緊張緩和に向けて合意したことを祝意。シハサック外相によれば、カンボジアはすでに重火器の撤収を開始しており、合意が履行されればタイは捕虜の送還やプノンペンとの関係修復に取り組む方針だという。

シハサック外相(右) 写真:ベトナム外務省

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