菜食週間(ベジタリアン・フェスティバル)、消費拡大に期待 健康志向と観光需要が追い風

【タイ】10月21日から29日まで開催される「菜食週間(キンジェーกินเจ、ベジタリアン・フェスティバル)」で、消費拡大や観光促進といった経済効果が期待されている。タイ商工会議所大学(UTCC)の試算によれば、今年の菜食週間に伴う消費支出は全国で4600億バーツ(2兆円相当)規模に達する見込みだ。

 同大学は、特に首都バンコクや(菜食週間が盛んな)南部プーケットなどでの盛り上がりが見込まれる。期間中は、街角の屋台から大手小売店まで黄色い旗を掲げて、「ジェー(齋)料理」を提供。普段は肉料理を扱う店でも特別メニューを用意し、消費の裾野を広げる。健康志向の若年層や外国人旅行者の参加も増え、「従来の宗教的行事から食のフェスティバルへと性格を変えつつある」と分析している。

 一方で、供給には課題もあるという。原材料となる大豆や野菜の価格は、天候不順や輸送コストの上昇で不安定さを増している。業界関係者は「需要増に対応するための仕入れ調整が、利益率を圧迫しかねない」と警戒する。ほかにも、臨時店舗の急増に伴う人手不足、鮮度管理や食品衛生を含む在庫・安全管理の難しさもあるという。

 それでも、観光誘致の好機として、タイ政府は積極的に情報を発信。タイ政府観光庁(TAT)も「文化と健康を組み合わせた観光資源」とアピールしている。

写真:newsclip

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