「計画が雑」「不正が心配」公立学校へのタブレット・PC配備で混乱

【タイ】タイ教育省の「いつでもどこでも学べる(Anywhere Anytime)」構想に基づく、バンコク都内の各区教育事務局によるタブレット、ノートパソコン、クロームブックなどのリース購入計画で混乱が続いている。複数の調達委員が辞任し、学校側も端末の受け取りを拒否するなど、現場には「教育省の計画がおおざっぱ」「納入をめぐる不正が心配」といった声が上がっている。

 同構想は、「ICT機器を活用したデジタル学習推進策」の一環として教育省が提唱。2025年度には42億バーツ、2026~31年度の第二フェーズには298億バーツの予算が、内閣で承認されている。

 バンコクでは、基礎教育委員会(OBEC)傘下の各区教育事務局がそれぞれ、業務範囲書に基づいて入札や業者選定を行う仕組みだが、調達手続きや機器仕様が画一的かつ不明瞭なため、現場に不信感が広がった。機器調達時の不正に巻き込まれることを懸念し、複数の調達委員が辞任。学校側もリース費用の負担や導入機器の有用性を疑問視し、これまでに30校以上が受領を拒否した。

 現場からは、「OBECが一元的に入札から納入検収まで調達手続きを一括管理し、透明性と責任を明確化すべき」との要望が上がっている。バンコク首都圏ではすでに、高度なICT環境を整備した学校が多いため、OBECは需要を見極めたうえで、教育インフラが未整備の過疎地や、特に支援を必要とする学校に予算を優先配分すべきとしている。

関連記事

  1. 日タイ男子バレーボール大会2日目、大阪ブルテオン勝利「SV.LEAGUE WORLD TOUR 2025 IN THAILAND」

  2. 日タイ男子バレーボール大会開幕、日本勢が初日2勝「SV.LEAGUE WORLD TOUR 2025 IN THAILAND」

  3. 日タイ男子バレーボールの強豪チーム、バンコク日本博で記者会見 SV.LEAGUE WORLD TOUR 2025 IN THAILAND

ページ上部へ戻る