【タイ】タクシン・チナワット元首相が、9月9日に最高裁判所から有罪判決を受けて収監される前、自身のフェイスブックに国民へのメッセージを投稿した。国民からは、判決を受け入れた姿勢を評価する声が聞かれる一方、「3カ月もすれば具合が悪いと言い出して家に帰るさ」といった冷ややかな声も聞かれる。
「このたび、国王陛下のご慈悲により、私に対する刑期が減免され、残り1年となりました。この寛大なるご配慮は、私自身はもとより、家族にとっても計り知れない恩恵であり、心より感謝申し上げます。
本日、私は判決に従い、法の定める手続きを受け入れる所存です。
2001年から2006年までの間、首相としての職責を担う中で、私は常に国民の生活向上を目指し、政策の実現に尽力してまいりました。政党が政策で競い合う健全な政治環境を築き、実効性ある施策によって『食べていける民主主義』を実現することができたことは、選挙によって選ばれた政治家として、誇りに思っております。
私に関する全ての訴訟は、2006年の政権交代後に起きたものでありますが、今、私は過去を振り返るのではなく、未来を見据えたいと思います。これまでの法的闘争や、私に関わるあらゆる対立に終止符を打ち、前に進む時です。
これまで支えてくださった国民の皆さん、政治家の皆さん、プアタイ党の仲間たち、友人の皆さんに心から感謝申し上げます。喜びの時も困難な時も、共に歩んでくださったことを忘れません。
私はこの道を選びました。それは、皆さんが前を向いて歩み続けられるよう、励ましを送りたいからです。国家、宗教、国王陛下、そして国民のために、私たちが共有してきた理想と精神を胸に、再び共に歩む日まで、それぞれの場所で力を尽くしてまいりましょう。
本日より、私は自由を制限される身となりますが、思考の自由は失われておりません。祖国と国民のために、残された人生を使い、心身ともに強くあり続け、王室、タイの大地、そして国民に奉仕してまいります。どのような立場であっても、その志は変わりません。
ありがとうございました」。
写真:Thaksin Shinawatraフェイスブックより