タイ国境で混乱続く 陸軍兵士が民間人を撃って逃走、後に自殺

【タイ】タイ・カンボジア国境紛争が発生した東北部スリン県カープチュン郡で8月15日未明、陸軍兵士が住民2人に発砲してけがを負わせて逃走するという事件が発生した。兵士は午前中、事件現場から150メートルほど離れた森林内で死んでいるのが発見された。自殺とみられる。

 事件を起こした兵士は、郡内のカンボジア国境線上に残るクメール遺跡、プラサート・タークワーイに6月から駐屯する一等兵。15日0時45分頃、路上でM16小銃を10発連射、55分頃に2発発砲した。このときに地元住民を撃ったとみられる。住民の1人は危篤状態。

 当地を管轄する陸軍第2軍管区の各部隊がただちに捜索を開始し、午前10時40分頃に遺体が発見された。事件直後に自殺した可能性が高く、鑑識が現場検証を続けている。

 ブンシン・パートクラーン陸軍第2軍管区司令官(中将)は、動機は不明としながらも「実際に交戦があった戦場では極度のストレスが発生する」と述べた。また、各部隊の指揮官に対して部下の健康管理を徹底し、医療班にはリスクが高いと思われる兵士の精神状態の評価を行うよう命じたことを明らかにした。

 一等兵の捜索が続く中、連絡を受けた母親が、「どこにいるの。武器を捨てて出てきて。まだ間に合う。みんな心配している」とSNSに投稿していた。

写真:Fire & Rescue Thailand

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