【タイ・カンボジア】タイの各メディアが6月8日付けのカンボジア紙「クメール・タイムズ」からの引用として伝えるところによると、カンボジアのフン・セン首相は7日夜、「タイがカンボジア国境を封鎖して、最も打撃を受けるのはタイ」と発言した。一方、カンボジア国内で高まりつつあるタイ製品ボイコットの気運については、「冷静さ、成熟度、忍耐、そして礼儀正しさ」を呼び掛けたという。
フン・セン首相は、「タイからカンボジアへは52億米ドル、我々からタイへは10億米ドル」という2024年の両国の貿易額を挙げ、カンボジアがタイより優位な立場であることを自国民にアピールした。ただ、タイ製品なしにカンボジア国民の生活が成り立たないという現実は否定できず、タイ製品ボイコットなどで自分の首を絞めるような行動に出ないよう自制を促した。
クメール・タイムズは、「タイ製品が買えなくなっても、タイによる国封鎖が原因であり、カンボジア政府を責めてはならない」と報じたという。
タイ国内では、弱腰の対応に終始するタイ政府を批判する声が高まっており、タイ陸軍の「国境を封鎖すべき」といった強硬な発言に支持が集まっている。メディアなどは「ペートーンターン・チナワット首相はうろたえ、プームタム・ウェーチャヤチャイ副首相兼国防相に丸投げ」「プームタム副首相は国軍にを求めるだけで何の考えもない」と書き立てている。
タイ政府の対応は、フン・セン元首相と友好関係を保つ(ペートーンターン首相の父親の)タクシン元首相の指示によるもの、という見方がもっぱら。国境問題に乗じた反タクシン派による「タクシン非難」も勢いづいている。
写真ウィーラユット・ラックシン第2軍管区副司令官兼第2軍管区作戦センター副司令官(少将)
タイ陸軍第2軍管区กองทัพภาคที่ 2フェイスブックより