【タイ】バンコク北隣パトゥムターニー県タンヤブリー町(テーサバーン・タンボン)で5月11日に行われた町議会選で、妨害運転でニュースになったスミッティパット・リンナワラット氏(28)が当選した。また、母親であるユッパヤーオ氏が同時に行われた町議長選で当選した。いずれも開票速報としての非公式結果。
スミッティパット氏は、タンヤブリー町現町長のクリッサダー氏を父親に、与党プアタイ党下院議員のマナッサナン氏を兄に持つ。母親は今回の選挙で、父親の職を引き継ぐことになる。
タイのメディアやSNSなどのネット界隈で、スミッティパット氏は多くの批判を浴びていた。4月18日朝、バンコク外環状線(アウターリング、国道9号線)のタンヤブリー料金所(パトゥムターニー県タンヤブリー郡内)を過ぎた地点で老夫婦が乗ったピックアップトラックと接触。相手が停止しなかったことから逆上し、妨害運転を仕掛けて故意にぶつかっていった。これにより、運転していた夫は肋骨を折るなどの重傷で集中治療室(ICU)に運ばれ、妻も軽傷を負っている。
スミッティパット氏は当選を受け、「みなさんに感謝する。父親のように町のために尽力する」と述べた。クリッサダー現町長は妻と息子の当選を受け、「30年以上、この町の発展に尽くしてきた。人々が我々家族を愛し、信頼してくれていたことが証明された」と、感謝の意を示した。息子の事故については、「司法の判断に委ねるだけ。特別なコネもない。けがをされたご夫婦には最善の補償を考えている」とした。ユッパヤーオ氏は、「息子が起こした騒ぎを考えれば、選挙に勝てなくても当然だった」と話した。
タイの一部のメディアによると、リンナワラット一家は政治家としてタンヤブリーで多大な影響力を誇示。スミッティパット氏が2024年6月に出家した際、ペートーンターン・チナワット首相と父親のタクシン元首相が揃って出家式に参列していたと報じられた。