反対意見続出でカジノ法案トーンダウン タイ首相「急ぐ必要なし」

【タイ】ペートーンターン・チナワット首相は3月11日、一度は閣議で承認したものの反対意見が続出して先に進められなくなったカジノ(複合娯楽施設)法案に関し、「急ぐ必要はなく、精査を続ける」と発言した。法案は今月4日の閣議に差し戻されると報じられていたが実現せず、11日の閣議で精査継続の判断となった。

 法案は「複合娯楽施設」に関する法整備と説明されるが、真の目的はカジノ解禁。ペートーンターン首相の父親であるタクシン元首相が現役の頃、積極的に推し進めてきたが実現しなかった。今回の法案も同元首相の意向という見方がもっぱらだ。

 政府は今年1月13日の閣議で承認し、近く国会に提出すると発表していたが、与野党や国民から「国民が賭博漬けになる」といった反対意見が相次いだ。ペートーンターン首相は「外国人誘致のための法案。観光収益の大幅な増益とタイ人雇用創出が見込まれる」と説得を試みたものの、違法賭博などの地下経済を地上に引き上げる目的もあるため、タイ国民が利用できないと意味がなくなるというジレンマに陥った。

 そのうち、「タイ国民の入場は5000万バーツ(2億円相当)以上の預金の証明」という条件付与の案が浮上。一度は「却下」されたものの、現在は「要検討」の状態と報じられており、ドタバタが続いている。5000万バーツ以上の預金を持つタイ国民は1万人ほどとされる。

 このため、ペートーンターン首相は「国民の声に耳を傾ける」とし、法制委員会事務局での精査継続を決めた。閣議への差し戻し時期は未定だという。政府は当初、年内の国会通過を見込んでいた。

カジノ解禁一歩前進 閣議で法案承認

写真:タイ首相府

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