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タイで生産管理システム導入のコツ⑥ 海外のパッケージと日本のパッケージ
- 2023/3/9
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タイや海外で生産管理システムを導入する場合、日本の生産管理システムはもちろんですが、海外メーカーの製品も選択肢になります。Dynamics、SAP、MFG/PRO、Inforなどですね。それらの海外製パッケージと日の丸パッケージを検討する場合の相違点についてお話したいと思います。
1.生産方式の違い
2.何処が優れているのか?
3.導入サポート費用や導入後の費用について
1.生産方式の違い
生産管理システムはその生産方式によって異なります。例えば多くの部品から1つの製品を作る集約型と原油からガソリンや重油、軽油などの展開型では管理方式が異なります。また複数の製品を繰り返し生産する業種と一品物や個別生産方式でも管理が異なります。日本の生産方式と欧米の生産方式を比較した場合に大きく異なると思われるのが『オンデマンド生産』と『計画生産』ではないでしょうか? 日本の製造業は最終製品を製造する大手企業を除いて可能な限り変化する顧客の要望に応える生産が求められます。それは言い換えれば最終顧客(消費者)のニーズに応じてタイムリーに生産するJITへの対応です。
それに対して欧米系の生産方式は計画生産に重きを置いていると思います。顧客の仕様通りに短期間で出荷するコンピュータ企業DELLの生産方式はデル・モデルとして有名ですが、需要動向を分析した計画を広く納入業者に伝えており、その計画に基づいて生産が行われています。日本の企業も同様に思えますが違いはその計画の精度であったり、変更の度合いであるように思います。
2.何処が優れているのか?
①日の丸ソフト
日本の商習慣に基づいて、頻発する計画の変更に柔軟に対応できるように設計されています。また製番管理・看板・無償支給といった日本独自の生産方式に対応しています。欧米のソフトでも日本語バージョンでは上記機能がありますが海外版ではサポートされていない場合があります。一般的に海外のソフトに比して運用の自由度が高いと思います。
②欧米系ソフト
世界各国で販売されている為、多くの言語に対応しています。日系ソフトで多言語対応しているものは、多くても日本語・英語・中国語・タイ語・ベトナム語位ではないでしょうか? また世界各国で販売されている為、各国の法対応に優れています。特に生産管理連携する会計システムの各国法対応は欧米ソフトが優れていると感じています。例えばインドの会計に対応した日の丸ソフトを探すのは難しいのでは?と思います。
3.導入サポート費用や導入後の費用について
①日の丸ソフト
一般に事前に提示した価格で請け負う形が多いのではないでしょうか? 所謂本稼働まで責任を持って導入支援にあたる形です。またメジャーバージョンアップが比較的少なく長く使えるものが多いと感じています。
②欧米系ソフト
基本各種トレーニングコースなどの各費用が明確に決まっています。良く判らないのでもう一度教えてほしい場合は別途費用が発生する場合があります。日本の業者のように定額でのサポートではない場合が多く、カスタマイズが多い、運用が安定しない(定着しない)などでサポートが必要な場合思わぬ出費が必要になる場合があります。また製品サイクルが日の丸ソフトに対して短く、バージョンアップ費用が高額です。
またエンジニアの単価も欧米系の場合若干高単価だと思います。最初の見積もりでは日の丸ソフトの導入費用が高額に思える場合がありますが、経験上本稼働からその後の保守まで考えると欧米系ソフトの方が費用が掛かるのではと感じています。
さて、6回にわたって書かせて頂きましたタイで生産管理システム導入にかかわるコラムは今回で終了させて頂きます。次回は皆様の工場でお会いできればと思います。私共はシステムを動かすインフラを提供したり、パッケージの使い方を教育させて頂いたり、一部の機能をカスタマイスしたりというシステム構築を全力でごサポートさせて頂きます。また、お客様自身で実行される『システムに魂を入れる活動』に少しでも貢献できればと願っています。ありがとうございました。
バックナンバー
タイで生産管理システム導入のコツ(1)失敗しないための事前準備
タイで生産管理システム導入のコツ(2)日本と同じ仕組みで良いですか?
タイで生産管理システム導入のコツ(3) どのモジュールから導入するか?
タイで生産管理システム導入のコツ④ 在庫精度を向上させるには?
タイで生産管理システム導入のコツ⑤ 業者選定のポイントは?
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筆者:西本栄次
Material Automation(Thailand)Co.,Ltd.
SI4 Div Manager
日本での大型計算機販売の後
96年5月から在タイ
タイでは主に生産管理システムの販売・
サポートを中心に活動
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