【タイ】タイ北部カンペーンペット県カーヌウォンララックサブリー郡の僧院で11月20日に12体、同ピジット県ポータレー郡の僧院で23日に41体、さらに同県バーンムンナーク郡の寺院で26日に32体、計85体の遺体が発見されるという騒ぎが起きた。遺体は棺桶に入れられて在家者の瞑想に利用されていた。
遺体が見つかった僧院と寺院の3カ所は同一の僧侶が関わっており、以前から遺体を前に瞑想を行う場所として周辺住民に知られていた。今回の遺体探しのきっかけとなったのは、カンペーンペット県の僧院での「ダルマの実践」に参加した在家者のフェイスブックの、「遺体を『スキャン』して超能力を高める」という投稿。警察が同所に赴いて遺体を確認、関連のあるピジット県の僧院と寺院を捜査したところ、さらなる遺体を見つけた。
寺院の僧侶は「遺体は在家者からの献体」と説明している。警察は全ての遺体の身元確認が必要としているが、ある程度の死亡診断書や遺体寄贈書が揃っていると見られる。ただ身元はできても、遺体に適切な処置を施さなかったとして、墓地火葬場法違反に問われるという。また、文化省宗教局は、遺体を用いての瞑想が仏教に教えに沿っているのかどうか疑問とした。
今回の騒ぎに関しては、国民からの否定的な意見が聞かれる一方、地元からは「10年以上前から続いていて、公務員を含む多くの人が実践に訪れ、地元警察も知っていた。何を今さら」といった声も挙がっている。