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〈タイ業界事情〉AI機能とカメラによるOCR機能を組み合わせることによりどこまでのことが実現可能になるのか BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
- 2024/2/19
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難波 孝次 氏 Managing Director
AI機能とカメラによるOCR機能を組み合わせることによりどこまでのことが実現可能になるのか
前回はAIを会計システムの改善に活用する例としまして、出張時の領収書等をカメラで撮影することにより自動的に経費伝票を作成する機能についてを説明させていただきましたが、同機能に対して何点かお問い合わせをいただきまして、今回はこの機能の応用例について話をさせていただければと考えております。
お問い合わせの内容としましては、領収書を経理伝票に自動変換できるのなら得意先さんからの発注書や仕入先さんからのインボイスについても同じように自動的に受注伝票と仕入伝票に変換できるのではないかということで、結論から言いますと基本的な部分は同じですので実現は可能となります。ただ以前にも話をさせていただいたのですが、そういった主要な取引データについてはEDIデータとして送られてくることが多いので、わざわざカメラで一枚ずつ撮影して変換するよりは電子データを一括で変換する方が効率が良い為そこに需要はあまりないのではと考えておりました。
ところが色々と話を聞いてみますと、確かにそういった電子データが存在するところも多いのですが、そうでもない取引先さんも結構ありその場合は送られてきた書類を見ながら1件ずつデータを手入力するという昔ながらの作業をおこなっているとのことで、当然ながら時間もかかりますし入力ミスも少なからず発生してしまいます。そこで今回は先ず取引先さんから送られてくる資料をシステムに取り込む手法についてを、ケースごとにまとめてみたいと思います。
1、紙の資料しか存在しないケース
今時発注書が紙でしか送られてこないというケースはあまりないかも知れませんが、それでもまだFAXを利用されている会社さんはありますし、それから仕入先さんからのインボイスは紙の原本しか来ないということはそれほど珍しくないようです。ではこのケースについてはどのようにすれば良いのかと言いますと、何しろ現物が紙しかないのですからこれはもう手法は1つだけで、その資料をカメラで撮影してシステムに取り込みOCR機能にてテキストデータを抽出した後、受注伝票や仕入伝票に自動変換するという形となります。
2、PDFファイルしか存在しないケース
これは得意先さんから発注書のPDFファイルがメールの添付ファイルとして送られてくるという比較的よくあるケースで、あと得意先さんのEDIシステムから受注データをPDFファイルでしかダウンロードできないというケース(こちらはあまりないとは思いますが)もこれに当てはまるかと思います。それでこのケースについては実は意外と厄介でありまして、と言いますのがPDFファイルはフォーマットが特殊ですので他のテキストファイルやエクセルファイルのようにそのままテキストデータとしてアップロードすることが出来ないようになっております。ではどうすれば良いのかと言えば、1つの手法として前項と同じくそのPDFファイルを紙に印刷若しくは画面に表示させたものをカメラで撮影してシステムに取り込む方法となります。それからもう一つはPDFファイルにはその内容を画面に表示させ文章が表示されている箇所をカーソルで選択すればテキストデータのみをコピーできるという機能を実は標準で持っておりますので、その機能を利用してコピーしたテキストデータをシステムにペーストしてやることによりデータを入力するという手法もあります。ただ手書き文字の場合あまりにも達筆過ぎてシステムがテキスト文字として認識できなければコピーも出来ない訳ですが、これはカメラで撮影してOCR機能を使う場合も同じですので、作業時間を考えますと1枚ずつカメラ撮影をするよりはこちらの画面上でテキストデータをコピーする手法の方が優れていると言えるでしょうか。
3、伝票形式のエクセルファイルのみが存在するケース
このケースは少々レアかも知れませんが、得意先さんからエクセルファイルは送られてくるのですが、そのエクセルは単純なデータ形式ではなく紙で発行される発注書そのままにレターヘッドや明細部の項目罫線までもエクセルに組み込まれているという、いわゆる印刷する為のフォーマットになっているというものです。通常はそういった伝票形式とは別に必要項目のみを抽出したデータ形式のエクセルも存在してよさそうなものなのですが、何故かこの形式しか送られてこないという変わったケースになります。このケースも第1項のようにカメラで撮影してシステムに取り込むことも出来るのですが、元がエクセルファイルですのでそのままシステムにアップロードすることも可能になっております。ただレターヘッド等の不要なデータが取り込まれてしまうのと、項目区切りが明確になっていない場合もありまして、そこはAI機能を用いて必要データのみをピックアップすることで対応をおこなう形となります。
4、データ形式のエクセルファイル若しくはテキストファイルが存在するケース
このケースは一般的なEDIデータが存在するということですので、ここでわざわざ取り上げることは無いのかも知れませんが、取引先さんからの資料読み込みとしてはこの形がベストでありまして送られてきた(若しくはEDIシステムからダウンロードしてきた)ファイルをそのまま自社システムにアップロードすることで、後はAIが自動的にデータ解析をおこないシステム内の受注データや仕入データに変換してくれるという一番楽な手法となります。この手法であれば上記の1件ずつ処理をおこなう方式と異なり一度の操作で何百件でも何千件でも処理をおこなうことが可能となります。
ということで以上が基本的なケースなのですが、実は取引先さんから送られてくる資料としましては上記のような販売・購買システムに使用するもののみではなく、在庫管理システムでも必要になる場合もございます。どういう事かと言いますと昨今では実在庫品の管理としてバーコードやQRコードを利用して管理をおこなっている会社さんは多いかと思いますが、全ての在庫品目に対して入荷から出庫までを一気通貫で一つのQRコードで管理をおこなおうとすると、実はクリアしないといけない大きなハードルが一つあります。それは仕入先さんから納品されてくる品目の入荷処理についてでして、入荷処理が終わればその品目に社内で印刷したQRコードラベルを貼って、以降の処理については在庫品を移動したり生産に使用したり、若しくは棚卸をおこなったりといったような作業を同QRコードを読み込むことによりおこなうことが可能となります。ところがその為のQRコードラベルを作成するには、この入荷処理をおこなった結果を反映させる必要がありますので、肝心の入荷処理自体には自社のQRコードラベルを使うことは出来ないという、まあ当たり前と言われればそうなのですがそういうジレンマがあります。
この件について理想を言えば自社でEDIサーバーを立て、同サーバーに対して全ての仕入先さんに接続してもらいQRコードラベルをダウンロードした後、同ラベルを出荷時に貼り付けてもらえば何の問題もない訳で、実際にそういったシステムを構築されている会社さんもございます。ただ全ての仕入先さんにそういったオペレーションをお願いするとなれば、当然ながら確固とした協力体制が必要になる訳で、仕入先さんの中には社内のシステム環境にそれほど力を入れられていないところとかもあったりしますので、これは社内のシステム化以上に至難の業となります。
そこで次善の策として今ある状況で何とかする形を考えるとした場合、入荷品には自社システムのラベルは貼られていないとしても仕入先さん自身で出荷管理をおこなう為の何らかのラベルが貼られているケースがほとんどではないでしょうか。また、納品時には当然ながら納品内容が記載された出荷品目の明細書が紙として届けられていることも多いかと思います。もちろんこれらの書類は目視で入荷受入をおこなう為のもので、それをそのままシステムに取り込むに訳にはいかないのですが、それでも目視で確認がおこなえるということは入荷確認の情報としては揃っている訳で、ここの部分についてもOCR機能とAI機能とを駆使することにより何とかしてシステムに入荷品の情報を取り込めないかというのが、次の話となります。
具体的には前述の納品物に貼られたラベル、納品物と一緒に届けられた明細書、それから発注データを元にして自社システムから出力した入荷予定表を元にして、それらの書類を読み込むことにより自動的に入荷データを作成する処理となりまして、この処理の詳細についてはまた説明が長くなりますので続きは次回ということにさせていただけますでしょうか。
BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
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