タイで気候災害の予測ツール開発へ 洪水・干ばつなど複合リスクに備え

【タイ】天然資源環境省は、気候変動による災害を事前に把握し、被害を最小限に抑えるための新たな予測ツールを開発している。短期的には「複合災害指数」を導入し、今後3〜6カ月間に洪水、干ばつ、地滑りなど単一または複数の災害が発生する可能性を地域別に示す。長期的には「気候リスク地図」を作成し、海面上昇や気温変化など2100年までのリスクを可視化する。

 スチャート・チョムクリン天然資源環境相は、8月26日にチベット・ネパール国境で発生した氷河崩壊災害を例に挙げ、気候変動が災害の規模と複雑性を増していると指摘。「タイは氷河災害の危険はないが、洪水、干ばつ、強風、地滑り、土砂崩れ、極端な高温など多様な影響を受けている。どの地域がどの災害に直面するかを事前に把握し、官民が備えることが重要だ」と述べた。

 同省の気候変動環境局が、降雨量、気温、湿度の長期予測を基に、地域ごとの防災・適応計画に活用できるデータ整備を進めている。複合災害指数は5キロメートル四方の解像度で作成され、複数の災害が同時または連続して発生する地域を特定する。さらに、地図では地滑り、海面上昇、平均気温上昇、降雨変化の4要素を地理情報システム(GIS)で表示し、2050年までと2100年までの2段階でリスクを示す。

 スチャート天然資源環境相は、「災害が起きてから対応するのではなく、事前にリスクを把握して備えることが重要」と強調。両ツールの完成後、データは気候変動情報センターを通じて公開され、各機関が地域特性に応じた防災・適応策を立てる基礎資料となる見通し。

北部ナーン県プア郡で発生した洪水での復興作業(8月25日) 写真:JS100 Radioフェイスブックより

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