【タイ】9月24日に発足したばかりのアヌティン政権で、早くも閣僚が辞任した。ウォーラパック・タニヤウォン副財務相(61)が10月22日、辞任を表明した。
ウォーラパック氏をめぐる疑惑は10月上旬に浮上した。カンボジアを拠点とする国際的な詐欺組織の資金ルートをタイの捜査当局が追う過程で、同氏の名前がカンボジアの金融グループ「BICグループ」や関連銀行の資料に記載されていたと報じられたのが発端だ。同氏が資金追跡の特別チーム責任者に任命された直後でもあり、政権内外に波紋を広げた。
ウォーラパック氏は、ラオスのBIC銀行やシンガポール系投資会社を通じた正規の資金調達を行っただけだと主張し、詐欺組織との関与を否定。同グループのウェブサイトに自身の名前や写真が顧問として掲載されていたことも「知らなかった」と説明した。
報道を「事実を歪めた悪意あるものだ」と批判し、虚偽情報を流布した者に対して法的措置を取る考えを示したうえで辞任を表明。そのうえで「私は国内外で30年以上、銀行・金融分野に携わってきた。政治的権力を求めたことはなく、専門知識を国のために役立てたい一心だった」と述べた。




















