【タイ】問題となっているペートーンターン・チナワット首相の発言を巡り、上院議員36人から提出された裁判の訴えを憲法裁判所が受理した場合、ペートーンターン首相は裁判の判決が下るまで一時停職となる可能性がある。憲法裁は7月1日に、受理するか否かの判断を明らかにする。
訴えを起こした上院議員は、発言が憲法違反および政治倫理規定違反に当たる疑いがあるとした。同様の訴えは汚職取締委員会(NACC)にも提出されており、こちらはすでに受理されている。
憲法裁が首相を解任した例は、セーター・タウィーシン前首相で起きたばかり。実刑判決を受けて服役した前科のある元弁護士のピチット・チューンバーン氏を首相府相に任命したところ、憲法で定めた閣僚資格を満たさない人物を任用したという理由で、セーター前首相は失職に追い込まれた。ただこのときは、判決までの職務継続は認められている。
ペートーンターン首相は6月15日に非公式でカンボジアのフン・セン元首相と電話会談し、自軍の司令官を「向こう側の人間」と表現。フン・セン元首相が録音した音声クリップが18日にカンボジアで公開され、いわゆる「裏切り発言」としてタイ国民に広く知られてしまった。