タイ北部の町長を恐喝収賄で逮捕、組織犯罪取り締まり担当副内相の娘婿
- 2023/10/25
- タイ社会
【タイ】タイ警察は25日、北部ウタイタイニ県タルクドゥ町のウィーラチャート・ラサミー町長(45)と同町役場の職員2人など計5人を恐喝などの容疑で逮捕した。5人は取り調べ後、それぞれ保釈保証金40万バーツを支払い、同日中に保釈された。
タルクドゥ町から上水道設備を入札で受注した水道業者が資材を買えないよう地元の業者に圧力をかけた上で、事業を進めたければ賄賂を払えと水道業者を脅した疑い。
水道業者は賄賂の額を当初の100万バーツから60万バーツに値切った後、警察に相談。警察は賄賂の受け渡し現場や町役場などで5人を逮捕した。
タイ政府で「影響力のある人物(プーミーイティポン=犯罪組織のボス)」の取り締まりを担当するチャダー・タイセート副内相(62)は26日、義理の息子であるウィーラチャート町長から電話があった際に、町長を辞任するよう求めたことを明らかにした。
チャダー副内相は祖父の代にパキスタンからタイに移住したイスラム教徒の家系で、ウタイタニ県生まれ。家族は事業を営み裕福だったが、7歳のときに父親が、その7年後に母親と兄が殺害された。2007年の議会下院選にウタイタニ県から出馬し当選し、以来、3回連続当選。2003年に下院議員の秘書を殺し屋を使い殺害したとして起訴され、2005年に無罪が確定した。過去に2度結婚し、子供が7人いる。このうち息子1人は2012年に銃で撃たれ死亡した。